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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
アストラル トリップ
25/56

グレーゾーン

アストラル界

ライトノベルをお好きな方なら、一度はその名前を聞いたことがあると思います。


が、それが何かと、問われたら、なかなか、説明できないに違いありません。

アストラル界…この世とあの世の境にあると言われています。

幽界とも表現されますが、果たして、実際はわかりません。


「そうですね、確かに、異世界と人間界の狭間の世界…幽界の話をホラージャンルで書けないとなると…怪談が成立しませんからね。」

私はお調子者のメフィストを思い浮かべて、少し不機嫌な気持ちになる。


「うん…ついでに、ドーンの生命の樹とアストラルトリップとなれば、まあ、ホラージャンルで言い張れるわよ。だって…昔はオカルト・ホラーって言われてたもん。

20世紀には、『なろう系異世界転生』なんて存在してないもん。」

作者は自分を励ますように大声で言った。


「で、どうするのです?『生命の樹』なんて、理解できてますか?」

私は、定期的にミステリー雑誌『みぃ・ムー』に取り上げられた、生命の樹を使った瞑想を理解できずに読み飛ばしていた少女の作者を思い出していた。

「( ̄ー+ ̄)フッ…そんなもん、適当よ。」

「て、適当って…そんな事をして、感想欄で突っ込まれたら、答えられますか?」

私は心配になる。


昭和…オカルトブームと呼ばれた時代…

それは電子ゲームが普及する時代と相まって、

モンスターや悪魔召喚ものが人気でした。


本格的な悪魔召喚ゲームが流行し、そのせいか、ヤケにその系統に明るい人物が沢山生まれたのです。


それから、世紀末に色んな問題がおこり、1999年を過ぎると、それらの知識は、インチキの役たたずとして、各自の記憶の闇に消えて行くのです。


が、当時、大学生位の人物や、オカルト雑誌に携わっていたろう人物も年を取り、定年になった方々も大量にいらっしゃる事でしょう。


そんな人に、たまたま読まれて質問されたりしたら…私の作者は混乱するに違いないのです。


強そうに見えて、ただの内弁慶なのですから。


「やめてよ…縁起でもない(-_-;)


でも、ここは、なろう風味の電子世界…のアストラル界だから、平気なのっ(>_<。)

ここは、クローリーすら来たこと無い世界だもん。

メガバースなんだもん。

『世界』の象徴とか…知らなくても良いんだもん。」

作者は幼児退行をし始めました。が、姿が幼女なので、なんか…モヤモヤします。


えいっ…


と、私はメフィストの好みの金髪アニメ声の作者を14歳くらいの黒髪の少女に変えました。


「え?なにするのっ( ̄□ ̄;)!!」

混乱する作者の悲鳴が心地よいです。

「金髪幼女は、読者を獲得できそうですが、目立ちすぎて話が陳腐になりますから、エタる確率が高くなります。総じて、読者を減らしてしまいます。

中世…一人前に働けて、奉公や、旅が可能な14歳くらいの少女…

黒髪の地味な少女の方が動きやすいです。」

私の説明に作者は溜め息をつきながら納得する。

「まあ…ね。語りが目立つと上手くないもんね。

でも…ロリババァの練習もしたかったかも。」

作者は苦笑する。


「十分、幼いですよ。」

私は作者の声を懐かしく聞いた。

そう…私の作者は、少女時代から低い…大人びた声質で、こんな風に少し控えめな話し方をするのです。

あんな、高音の鼻にかかった話し方は似合いません。

「まあ…14歳だもんね…。確かに、まだまだ幼いけど…二次成長まえの12歳に設定し直すわ。

なにしろ、『生命の樹』をモデルにするなら、天使や神が現れる確率高いし…。」

作者は指をならして、そう設定した。

それから、大きな黒い魔女の帽子とマント姿になる。

「魔法少女…ですか?」

私の問いに、作者は不機嫌に唇を歪める。

「魔女に少女は…子供はいないのよ。

子供は、その存在で、既に神に愛されているのだから、悪魔は手出しが出来ないのよ。」

作者はそう言って、頭の…メフィストがつけたキスマークを触る。

「では…貴女は、少女ではないと言うことですか?

あれだけ、色々言って。」

悪魔のマーク…それをつけられると、人は魔女になると言います。

そんなものを付けたまま、神に愛される…少女にはなれません。

消してしまわなければ!

「だから、これはロリババァの練習も兼ねてるんだよ…

心は老女。でも、体は少女のままの呪いをかけられた…」

作者は眉間にシワを寄せて威嚇しますが、姿と行動がチグハグで、何となく、愛嬌があります。



「わかりました。それでは、貴女は永遠の聖少女。

堕天使アスモデウスから、恋を知らない少女の魔法にかけられた…その設定で行きましょう。」

私は、そのように設定をする。

これで、悪魔の…いかがわしい儀式から作者を守る事が可能です。


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