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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
メタバース
13/56

仕舞

この物語は、初めて投稿した連載で、うまく書けずに半端のまま放置していました。

しかし、目標を叶える事なく、友人の剛(仮名)が亡くなり、どんな形でも完結を目指そうと考えました。

続きを期待していた方、すいません。


でも、はじめの設定は、この数年、考えていたので、ここで構成しながら、別枠で書こうと思っています。

剛が、転生しているとしても、全てを忘れ、ハイファンタジーとして書くかもしれません。

まあ、本当にそんな日が来るかはわからないので、この辺りで呆れた方は、どうぞ無理しないでください。

「正直、どうしたらいいか…わからないわ。」

作者がぼやきながら私にきいた。


ここは仮想の海。

そして、私は、この作者のストーリーテラー時影と申します。


突然、作者やら、私のようなものが現れて、驚かれたでしょう。

すいません。


2022年4月。この物語のモデルで作者の友人の剛さん(仮名)が他界されました。


突然の訃報。

それは、諸事情で数ヵ月が過ぎた頃、作者が知ることになりました。


混乱し、現在でも混乱している作者は、止めていたこの作品を改編する事を諦めてしまいました。


申し訳ありません。



「無理しなくても、大丈夫ですよ。」

私は、作者にそう言った。

「ありがとう。剛は突然死だったの。だから、座ったまま動かずに止まっている、作中の剛を……異世界で描くなんて、どうしても無理だったわ。

ついでに、全てを晒すわけにもいかないから、

こうして、フィクションとして書くしかないの。」

作者は辛そうに目を細めた。

私は、その姿に痛々しさを感じました。


なろう異世界ファンタジー…

一見、間抜けで、明るげな印象のテンプレは、現実世界の出来事になれば、ただの悲劇です。


そう、ついてない中年が、不幸なまま突然死。


本人が本当に異世界で幸せであっても、関係者には悲劇でしかありません。


この作品は、ファンタジーの世界を目指していたために、軽いのりで死を扱う表現がアチコチにあり、

それらを見るたびに、作者も泣いていました。


「そうですね。でも、随分と更新してませんし、理由も理由ですから、無理をせずいきましょう。」


そう、作者を悩ませたのは、絵に書いたような現実の出来事に、書き続けても、死をおもちゃにしているように思われるのでは?

と、自問自答していました。

「そうね。でも、なんか、異世界ファンタジーは書こうと思うわ。

剛、公募の結果だけはメールの返信早かったし、

なんでも書けばいいって言って、応援してくれたから。」

作者は、涙を拭きながら話をする。

私は、その姿に胸が痛みました。


作者の悲しみは、やがて、私が、味わうだろう悲しみでもあるのですから。


私は、貴女と離れて行くのが怖かった。

私と未完の作品を置いて、貴女が逝ってしまうのが。

けれど、そんな貴女の姿を見つめる方が、何倍も痛いと知ったのです。


「それに、あなた達も何とかしなきゃいけないしね。

この作品は、どうしても、先を続けられないから、ここは、設定文を書き続けて終わらせるわ。」

作者は、私にそう言って、ポケットから、タロットカードの『世界』を取り出した。


「あんまり…こう言うの得意じゃないんだけれど…一応、ホラージャンルで始めたし、魔術の考察は必要だから。」

言い訳をするように作者は言って、この意識の世界で『世界』のカードを座布団位の大きさに変えた。


それから、それを砂場に置いて、何やらブツブツと呟きながら、カードを光らせた。


そして、ゆっくりとそのカードを上に持ち上げると、光の中から、あまり見たくない、男の足を、胴体を…顔を見ることになりました。


メフィスト・フェレス…

忌々しい悪魔です。


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