今から行くね。
それはまばゆい晴天の昼下がり。
染みるような冬の青空を見つめながら、さっきまでの重苦しい気持ちを振り払おうと奈美は大きく伸びをした。
ガソリン代の節約と健康を考えて徒歩でやって来たその場所は、
ハローワーク。
奈美は、これから中へと入る一人の女性を見て思う。
今日もいい情報は無いよ。
あの人とは、この場所でよく出会うのだが、場所が場所だけにお互いに挨拶などはしない。
が、ふとした所で、例えば相談待ちのベンチやら、職業訓練などで知り合った場合は話は別だ。
奈美は前の職場を辞めて田舎に帰ってきた時に簡単なパソコンの職業訓練を受けたことがある。
この時知り合った仲間とは、なぜか腐れ縁で続いている。
♪YOUゲッタァ、メイル!
突然、奈美の携帯が新着メールを知らせてきて、奈美は二つ折りの携帯…通称ガラケーをリュックから引っ張り出した。
スマホの時代と言われるが、外で何をするでなし、料金の安さも手伝って奈美はこのガラケーがお気に入りだったりする。
職安には来るが、派遣会社にも登録はしているので、やって来たメールは出きるだけ早く確認する。
時は金なり、
仕事は早い者勝ち。
一週間の自分の予定はいつでも把握は出来ている。
メールは短いものだった。そして、派遣からでは無かった。
ついたよ〜(^-^)
いい仕事あった?
この絵文字つきのメールは年上の友人の晴香からである。
奈美は急いでメールを返す。
無い(´ヘ`;)
今ハローワークを出たところ。今から行くね!
メールを送ると奈美はリュックに携帯を入れ、晴香の待ついつもの喫茶店に向かった。