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コラム 海都市の成り立ち

 時は二十一世紀後半。人口は世界中で爆発的に増えていた。それは一時期少子高齢化が叫ばれていた日本も例外ではなく、2040年度の時点で国内総人口2.5億人を突破した。この爆発的な人口増加により食糧不足が深刻化、発展途上国では紛争が各地で勃発した。日本やEU諸国など国土の狭い先進国は、農業を徹底的な機械化や農産物工場の建設などの政策をとり生産効率向上を狙うも、土地が足りず人口増加の速度に追いつけず食料自給率は軒並み100%を下回っていた。

 そこで、日本国・アメリカ合衆国・EU・中華民国・神聖ロシア連合帝国(当時はロシア連邦)・インド共和国・グレートブリテン連合王国(当時はイギリス)の各国は『爆発的人口増加とそれに関する諸問題を解決する為の先進国間会議』を開催し議論を重ねた。月や火星への移住や宇宙空間にコロニーを建設するなど様々な案が提案されたが、資源不足を主な理由として却下された。そして、最終的に決まった案が『船舶都市計画』である。

 この計画は1500m級の船を新たに建造し、その上に都市を作るといったものである。これにより、少しでも人口の飽和状態を改善しようと試みたのである。

 各国は、この案が採択された会議の開催地の地名をとった『ロンドン条約』を2038年に締結、『船舶都市計画』を発動した。しかし、この計画は、船を造り都市機能を維持することには成功したが、肝心の人口の飽和状態を改善するには至らなかった。現在各国二隻ずつ保有しており、それぞれの国を繋ぐ形で世界一周している。また、現在さらに規模を大きくした三隻目の船を急ピッチで建造している。

『船舶都市計画』の事実上の失敗を受け『ロンドン条約』締結国は『第十三回 爆発的人口増加とそれに関する諸問題を解決する為の先進国間会議』を開催、『船舶都市計画』に代わる新たな計画を打ち出した。それが『海上都市計画』である。

 この計画は排他的経済水域または公海上に人工島(メガフロート)を浮かべ、その上に都市を作るといったものである。この計画は『船舶都市計画』より大規模になると予想され、人口の飽和状態の解消を期待された。

 各国は『海上都市計画』の内容を盛り込んだ『ロンドン条約』に代わる新たな条約『南京条約』を2045年に締結、『海上都市計画』を発動した。

 日本では、海上都市を三陸沖300kmに建設する事が決定、2045年10月12日に着工した。ちなみに、この日は海都市かいとしでは市民の日に制定されている。第一次暫定開業として2053年12月15日に現在の海都市かいとし中央区にあたる島が完成、約100万人が移住した。その後、島の拡張や新しい島の建設、建物の改修や増築を繰り返し、最終的に全ての島が完成したのが2095年7月18日、実に50年もの間工事していた事になる。この日を境に島の所属を国直属から宮城県に移行、宮城県はこの島々を海都市かいとしに制定し、翌年には国から政令指定都市に指定された。

 このようにして、海都市は成立したのである。

主人公達が住まう海都市の成り立ちについてのコラムです。

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