プロローグ
『村中くまなく探せ! 生き残りがいたら始末しろ!』
外から男の怒声が聞こえてくる。
この村は今、謎の集団に襲撃を受け壊滅状態に陥っていた。村人の半分近くが脱出したとはいえ、ここを手放すわけにはいかないと、今も村人達が徹底抗戦の構えを見せていた。
「…………よし。準備できたぞ。お前達だけでも逃げるんだ」
男が子供達に呼びかける。
「……でも、それじゃあお父さんとお母さんが……」
「私達の事は良いの。それより、あなた達が生き残る事が大事なの」
「……そんなのやだよ!」
「……そうだよ、僕達も戦う!」
「駄目だ。お前達には危険すぎる」
「……でも!」
「光与! 大輝!」
女が強い口調で子供達を黙らせる。
「あなた達は何が何でも生き残らなければならない。それに、あなた達が死んだら弟達は誰が守るの?」
と、女は子供達に諭す。
『おい、ここから物音がしなかったか?』
『何? 念のため確かめるか』
男二人がこちらに近づいてくる。
「……! 不味い、外の連中に気づかれた。皆、早く逃げろ!」
「嫌だ! 僕達も……」
「お父さんの言う事を聞かないか!」
「……!」
男が激昂し子供達が黙る。
『誰かいるのか!』
『いるなら大人しく出て来い!』
外の男等が激しくドアを叩く。
「さあ、早く行きなさい。……大丈夫、また会えるから。だから今は言う事を聞いてちょうだい。」
女は子供達を奥へ押しやる。
『……仕方無い、強行突破だ。このドアをぶち破るぞ。』
男等はタックルしているのか、更に激しくドアを打ち鳴らす。
「さあ、もう時間が無い。早く行け!」
男は子供達にそう告げると、銃器を構えドアの前に立ち塞がる。女も銃器を構え、男の後方に立つ。子供達は脱出を図るべく、廊下の奥へ去った。その時────
バキュンッッ!
と一発の銃声が鳴り響き
「…………えっ?」
女がその凶弾に倒れた。
「……! お母さん!」
その様子を見ていた男の子が女に駆け寄る。
「馬鹿! 逃げろと言っただろ!」
男は叫びつつ反撃するも───
「───グハッ!!」
男もその凶弾に屈した。
「……そんな、お父さん、お母さん!!────」
目の前で起こった光景に憤怒を覚え、彼は我を忘れた。
(*'-'*)ノはじめましてヽ(*'-'*)
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