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乙女ゲームは終わったの‼︎  作者: Märchen
10歳〜商売開始〜
4/23

薬草長者

掃除を終え、森にやって来た私達は大きな麻袋に土を、籠に薬草を摘んでいた

フェルが薬草を摘みながら私に話しかけてくる。

「エルねぇ、薬草なんて売ってどうするの?」

「冒険者さん相手に安く売るの」


そう、私の作戦第一弾は冒険者さん相手に宿屋で薬草を安く売って初期費用を稼ぐ事だ、薬草は乾燥させて細かくすり潰して塗ったり飲んだりするのだが・・・苦いのだ。

ポーションもあるにはあるが薬草よりは高く、駆け出し冒険者や小さな傷、風邪は薬草を使う事が多い。


「ふーん、それにしてもエルねぇよく薬草なんで知ってるね、ってその土なぁに?それに薬草なんて根まで抜かなくても良いのに」


このゲームには公式設定資料集があり、「あのキャラのその後を収録」との事で救いを求めたプレイヤーが買い漁ったのだ、勿論私もその1人だ。

実情はビッチヒロインと攻略対象のイチャラブ後日談とそれを偶然見かけたライバルキャラの心境でプレイヤーを絶望の淵に落としたが。

その設定資料集には薬草、薬の調合方法、魔術(‼︎)地図、貴族名鑑、素材、モンスター等作中で説明なしで語られていた事が細かすぎる世界観で語られていた。

説明なしで進めて良い量でも無く、つくづく糞ゲーだったと思う。


然しその情報は隈なく頭に入っている、救いを求めた妄想の糧としていたのだ。

だがそんなことは言えない。

「秘密だよ、土と根付き薬草はね、庭に植えるのよ」


「庭に?」


薬草を売る事を考えた時に問題だったのは需要と供給。

需要のあるのは出掛ける前、仲間を集めて冒険者ギルド・・・冒険者に依頼を斡旋する場所で依頼を受け、宿屋やギルドで仲間を集めて冒険の為アイテムを揃える朝、そして冒険が終わり傷だらけになって宿に帰る夜だ。


朝晩売って昼森に薬草を摘みに行くのは10になりたての私達には辛い、ならば庭に植えてしまえばいいのだ。

森の土で繁殖させれば薬草はうちの庭で群生してくれる事だろう。


「それなら楽かも‼︎エルねぇ凄い‼︎」


「ふふふー、少しでも母様に楽して欲しいからね」

お金があれば妹も飢えないで済む、森と違い水と間引きをやってやれば質のいい薬草が育ち、よく買ってくれるだろう。


(うまくいけば良いけど・・・)


未だ母未登場ェ


勿論薬草だけでは終わりませんよエルちゃんは

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