遺言
削られていると気づいた時には
ずいぶんと時間が経っていた
もう私の私である部分は
取り返しのつかない位に失われていた
私は誰?
私は答えられない
答えられるほど私はもう残っていない
ほとんど壊れてなくなってしまったから
もうすぐ私は私がいたことさえも忘れてしまう
私が壊れてしまったように
私も壊れていく
変質して別の私になる
別の何かが私を名乗って
私として生活していく
誰にも気づかれないうちに
ひっそりと交代が行われる
あぁ、嫌だ
消えたくない
死にたく、ない!