ファンタジー短編小説「チート級俺魔神が勇者様御一行にちょっかい出してみた」
魔界の魔王が地上に攻めてきた!
そして伝説の勇者が現れ、各地を救いながら魔王を退治する旅に出かける。
しかし、この物語の主人公は暇な魔界の魔神の一人。
まだまだレベルの低い勇者様御一行をちょっとからかっちゃおうかな~。
俺「おーれーは、ジャイアっ!!!」
俺が陽気に歌っていると、目の前からいかにも勇者様御一行という感じの奴らが歩いてきた。
俺「はっはーん。そこの洞窟へドラゴン退治にお出かけかな?」
そんで俺はちょいとちょっかいを出してみることにした。
俺「ヘイヘイ、勇者様たち!そこの洞窟へお出かけかい?」
勇者「君は何者だ、見る限り魔の者のようだが」
俺「俺ってばこんな陽気に、ちょいと散歩なんかめかしこんじゃってついでに勇者様御一行を退治しちゃおうかな~なんて」
おっと、挑発しすぎたか。勇者様御一行が真剣な面持ちで武器を構えちまった。
俺「うっそだよ~ん(笑)いや、ちょっとその洞窟のドラゴンは知り合いでね。勘弁してあげられないかな~?なんて思ってさ。」
勇者「そこのドラゴンが近隣の村を荒らして村人が困っている。我々はすぐにでもドラゴンを退治せねばならない。」
俺「あららら~。実はね、そこのドラゴンには最近子供が産まれたのさ。それでこの前村人が洞窟へドラゴン退治にやってきただろう。それに怒り狂って村を襲ったんだよね~」
勇者「本当なのか。ならば村人とドラゴンを説得すれば済むかもしれない。しかし魔の者の言うことを用意に信じるわけにはいかない」
俺「そんじゃあ証拠だ。この水晶をよく見てみな。ここに写ってるのが洞窟の中だ。ドラゴンとその子供が寝ているだろう。」
勇者「うーん、確かにそのようだが。」
魔法使い「この水晶映像は本物ですな。マナもその洞窟の中から水晶に流れている」
俺「どうだい、本当だったろ?それじゃあ取引だ(笑)友人の俺っちがドラゴンにちょいと話をつけてくるから、君らはそれなりの報酬を俺っちに支払うんだ。」
勇者「魔の者と取引は気が進まないが、こちらも子連れのドラゴンを退治するのは気が引けるな。ところで報酬は何が望みなんだ。」
俺「う~んそうだな~。よし、あの村にある聖像を頂こうか。」
僧侶「あの聖像には、あの村の守り神が宿っているわ。そんなものをあなたに渡すとは思えない。」
俺「おっと、それもタダじゃないよ。ドラゴンの説得に加えてこいつをその聖像の代わりに村にやろうって、俺っちの粋な計らいだってあるんだぜ~(笑)」
僧侶「これは・・・なぜ貴方がこのようなものを・・・」
勇者「それは一体何なんだ。」
戦士「俺には、ただの杖にしか見えないな」
魔法使い「このマナは、大賢者アルーナ・カイイのもの・・・そして、村の者より強力な守護神が宿っておる。お前の目的は何だ。」
俺「特に目的なんてないよ?本当だよ?ただ、あの聖像は前から欲しかったんだよね。あのぞうの守護神ちゃんとも仲良くなりたいじゃん。」
魔法使い「う~む。どうにも解せぬが、これがあればあの村はさらに強力な守護の力で守られるだろう。」
僧侶「(・・・でも何かしらこの良くない感じ)私は反対よ。その杖から何か良くないものを感じるわ。」
俺「それは魔界の俺っちがずっと持ってたからだろうね(笑)。魔界の瘴気もそこの村に置いとけばいずれ消えてなくなるさ。」
僧侶「・・・」
魔法使い「悪く無いと思いますぞ。聖像を渡すのは気が引けるがの。」
勇者「一度村へ戻って村人へ相談してみるか」
俺「ヘイヘイ、そんじゃ村の司祭さんにもこの杖見てもらってそんで決めたらいいんでないかい?」
勇者一行は杖を持ち村へと帰っていった。
俺「さてと、そろそろ頃合いか。」
アブーダラ・ソワニ・エルモ・マナ・スーダラ・ウーダラ
村で司祭が杖を見ていると、突然空が暗くなり村が結界で覆われた。
魔法使い「しまった!魔の結界!その杖を中心に張られていますぞ!」
するとどこからともなく、結界の外側に魔界の住人の大群が現れた。
勇者「罠だったのか!」
俺っちは勇者様御一行の頭上上空へとワープした。
俺「さーてさてさて、ありったけの財宝を出していただきましょうか(笑)さもなければ、今すぐ結界を解いて魔界の住人たちが村に襲いかかるぞ」
勇者「この数・・万事休すか・・」
司祭「ここは魔の者の言うとおりしないと危険でしょう。村の者達に財宝を差し出すように言いなさい・・」
戦士「なんて野郎だ・・」
村人たちが財宝を村の中心に集め終わると、俺っちはそいつを頂いて壮大なトリックのお披露目会を開催してやった。
俺「そんじゃ種明かしだよ~ん(笑)」
ボンッ
煙とともに杖が消えると、結界も魔界の住人たちも瞬時に消えた。
俺「どうだったかな、壮大なスペクタクル映画は(笑)」
魔法使い「全て映像だったか。」
勇者「魔の者、奪った財宝を全て村人に返すんだ。」
俺「また来るからね~、気が向いたら返してあげるよ~ん(笑)じゃあね~。」
エルモ・マンダラ・グーダラ・ブーダラ
司祭が呪文を唱えると、村の中心の聖像から守護神が現れた。
守護神「そこの者。直ちに財宝を返さねば神の裁きがお前を引き裂くぞ」
俺「おっと、こいつがいたんだっけか。」
ここの守護神は3級神。俺っちは魔界の1級神。本当は勝負にならないんだけどね。
力いっぱい叩きつける守護神の一撃をサラリと交わして、俺は魔界へと帰っていった。
それからしばらくたって勇者様御一行は俺っちの退治に出かけたと耳にした。
地上の財宝なんざ俺っちにはただのガラクタだから、そのうち返してやろうかと思っていたけど、
勇者様御一行がここに来るまで待ってみるのも面白いかもな。
月日が経って、この世界へ来た勇者様御一行がついに俺の根城にやってきた。
勇者「ようやく見つけたぞ魔の者!村人たちの財宝を返してもらおう!」
勇者「天神降臨!!!神威武装!!!」
俺っち「えっ・・・」
戦士「超仙術!!金剛剛力!!」
俺っち「うそ・・・」
魔法使い「カンダラ・バンダラ・ドータラ・ウータラ」
俺っち「それは究極呪文・・・」
僧侶「絶対フィールド!!コスモバリア!!」
俺っち「全ての攻撃を無効化するバリア・・」
勇者たちの信じられない力を目の当たりにして、俺は全ての財宝を即座に返すことにした。
これが勇者たちのレベルアップってやつだ。
俺自身がチート級の魔神だと思っていたが、本当にチートなのはあいらのレベルアップだ。
まあ伝説は本当だったってわけだ。
その後魔界のゲートは全て閉じられ、地上は平和を取り戻した。
地上で暴れていたのは、魔界の一部と親玉の一味だけだったんだが。
親玉のいなくなった魔界はどうなったかって?
魔界はめっきり静かになったけど、なんと1級神の俺が親玉の変わりに魔界を治めることになった。
それで最初のうちは特にこれといったことはなかったんだが・・・・・
魔界の王座に座っていると・・・・・・次第に地上が欲しくなる・・・・・・・
これが魔界の・・・魔王のサダメ・・・・・・・
これが続編の2(ツー)3(スリー)ってやつか。半端じゃ無いぜ。
お読みいただきありがとうございました。twinings04先生の次回作にご期待ください!
なんとなく書いてみたファンタジー小説。
中学生の頃、勇者でなく魔王とかが主人公のRPGはないかなと思っていたけど、
その後エニクスからそういうソフトが出たり、RPGじゃないけど最近だと勇生とかやっぱそういうのが出るんだろうなと。
バスタードなんて漫画も読んでたんで、勇者では全然ないタイプが主人公で、勇者は登場人物の一人みたいな設定が一瞬で出てきたと思います。
最後の勇者一行の必殺技は、やっぱ思い出すとバスタードっぽいですね。
ということで、初ファンタジー小説でした。




