#6.悪戯と静寂…
~七無空間運営~
X「19番が暴れだしたようだな…」
エド「彼はいったい何者なんですか?」
X「ん?そうか…お前がここに来たのは3年前だったな。じゃあ教えてやる。奴はな…」
(ヒソヒソ)
エド「え…?それって…どういうことですか…?」
火のエリア…
ここでは今まさにジョーイが一旦停止に銃を向けていた。
一旦『くそゥ…ここまでか…』
ジョーイはニンマリと黒い笑みを浮かべている。
ジョ「じゃあ…またね~♪」
ポン!!
一旦「ぐっ…あれ?」
一旦停止は自分はもう終わったかと思っていたが、何も感じなかった。
それどころか、体には傷一つない。
ジョーイの銃口からは紙吹雪が舞っているようだった。
ジョ「だから言ってるでしょ♪」
ジョーイはそう言いながらケラケラ笑っている。
ジョ「俺は今回粉々銃を本当に忘れてきちゃったんだよね~♪だからイタズラでお返ししといたよ♪」
一旦「なンだよそれ…;」
ジョーイは大笑いだ。
一旦停止は少し力が抜けた気がした。
そしてそのままヘタヘタと座り込んでしまった。
ジョ「それじゃ俺はここでドロンさせてもらうよ♪バイバーイ♪」
ジョーイはルンルン気分で一旦停止のもとを離れていった…
場所は変わり、水のエリア…
広い浜辺で一人、一条寺がせっせとバットを磨いていた。
一条寺「あーあ…;さっきの血がまだ取れない…;」
一条寺の背後に迫る謎の影…
???「あれ?誰かいる…」
その影は近くの岩に隠れて様子を見た。
一条寺「ん?」
一条寺は背後に気配を感じ振り向いた。
一条寺「どう見ても岩に何かを感じる…」
…というよりも岩から隠れた影の水色の髪とスニーカーが見えている;
一条寺「フッ…」
一条寺は失笑した。
そして何を思ったか、のんびりと釣りを始めた。
???「え?」
隠れた影は驚いている。
確かにばれているはずなのに…
???「ねえ!」
思わず声を出してしまった;
一条寺は何も言わずに振り向く。
声の主は水色のショートヘアーに赤と青のオッドアイ、そして紺のTシャツを着ている少年だった。
少年は思わぬことに戸惑いながらも一条寺に話しかけた。
少年「なんで気づかないふりをしてたの?」
一条寺「俺は戦う気はさらさらない。ましてや殺気のない奴と戦うのはごめんだ…」
一条寺は釣りを再開した。
少年「…」
少年は一瞬固まっていたが、緊張がほぐれたのか、一条寺の隣に座りまたしゃべり始めた。
ハルト「僕はハルト。君は?」
一条寺はメガネをくいっと上げて静かに話した。
一条寺「俺は一条寺だ…ハルトと言ったな…お前は何のために来たんだ?」
ハルト「僕は悪の心を持ってない人の復活のために来たんだ!一条寺さんは?」
一条寺「一条寺でいいよ;俺は特に目的はない。ただ生きるために戦っている…」
ハルト「生きるため…?」
一条寺は釣りをしながらハルトを見た。
ハルトは首をかしげている。
一条寺は少し笑った。
一条寺「多分わからないだろうな。まあいずれ答えはわかるさ。とにかくは俺は戦わずにどれだけ生きるか試しているのさ…」
ハルト「そうなんだ…」
2人は釣竿を眺めた。
竿はピクリともしない。
でも、この静けさが自分たちが今戦わなければならないという信念を忘れさせてくれるようだった…
だがその静けさに水を差すかのように脱落者の情報が轟音と共に流れた。
2人はいきなりの轟音にビクッとした。
一条寺「毎回だがこの音は心臓に悪いな;」
ハルト「そうだね;」
『光のエリアにて8番、16番、86番脱落(19番)』
『砂のエリアにて72番脱落(100番)』
『風のエリアにて32番脱落(47番)』
『闇のエリアにて69番脱落(34番)』
一条寺「くっ!またアイツ3人も殺ってやがる!」
ハルト「どうしてここまで戦いにこだわるんだろうね…」
一条寺「幸いこの水のエリアにはそういうやつらはいないみたいだが…;あの19番のヤツは何者なんだ!?」
謎だ…一度ならず二度までも…
もはや『恐怖』の言葉しか出てこない…
2人にはこの水のエリアの穏やかな波音でさえも今や恐怖を運ぶ音となっているように感じていた…
今まさに水のエリアにも恐怖の足音は迫っていたのだった………
~雷のエリア~
アイス「そういえばなんですけど、サカーンさんはいつから龍になれたんですか?」
サカーン「ん?俺は確か2歳のころから炎を吐いていたかな…」
アイス「えぇっ!?」