#21.暴発と犠牲
~雷のエリア~
ギランザ「もしここも封鎖されるんなら全エリアカレー巡りしてやけ食いしてやっからな!」
~氷のエリア~
19「さて…次の標的は…誰にしましょうか…」
ここは風のエリアにある食事販売所…
自称世紀のカレーハンターのロシが怒りに任せ、采に幻術をかけようとしていた。
采「うぅっ…!」
saya「采ー!!」
ヴァル『まずい…俺のスピードでも間に合わねえ…!』
ロシは狂気に満ちた目で幻術をかけ続けている…
采『ああ…もう…ダメ……』
采が術にやられるまさにその時だった…!
ドゴォッ!!!
謎の大きな音と共に何かが崩れ落ちてきた。
ロシの術はそれによって途切れ、采はなんとか助かったようだ。
saya「采!大丈夫!!?」
采「うん!私、助かってるー!」
ヴァルグランは安心したように上を見ると、洞窟であるはずな場所の天井部分にぽっかりと穴が開いている。
采「でも…何があったの…?」
saya「さあ…ん?キャアッ!」
sayaの悲鳴に多少驚きつつも采は下を見てみた。
そこにはロシがぺちゃんこに潰れて倒れていた。
その上には56番をつけた男が目を回して気絶しているようだ。
采「人が…人が降ってきたあああっ!!?」
saya「どういうこと!?」
ヴァル「考えるのめんどい……」
ヴァルグランはホッとしたように欠伸をするとお気に入りの岩に身体を横にして眠り始めた。
数分して空から降ってきた男は目を覚ました。
60B「いてて…あれ?俺生きてる!ヤッフ…ギャー!新たな敵か!!?」
空から降ってきた男(60B)は怯えるように戦闘態勢につくが武器がないためかなり逃げ腰だ。
saya「私たちは敵じゃないですよ!?戦う気はありません!」
采「そうだよ~!助けてくれてありがとう!」
60B「へ?」
60Bはキョトンとした顔で2人を見た。
2人はにこにこしている。
采「私、カレーパンとか言っている男に殺されそうになってたんだ…その下にいるやつの…」
60Bは采の指差したところを見た。
そこには自分に潰されたと思われるシルクハットの男がいた。
すると突然彼はうめき声をあげた。
60B「うわあっ!!」
60Bは驚きのあまりのけぞってその場を離れた。
ロシ「貴様…よくも邪魔してくれたな…」
60B「な、なにを言っているんだ!!?俺はただ空へ打ち上げられた挙句にここに偶然落ちた哀れな男なんだぞ!!?邪魔もくそもあるか!!!」
ロシ「問答無用!まずは貴様から術中にはめてやる!!!」
60B「なあっ!!?」
ロシは今まで以上に怒り狂い、60Bに幻術をかけ始めた…
ヴァル「うるさいな…あ?何だあれは…さっきの男か…まあ…今は動くのめんどいから…様子を見ておくか…」
ヴァルグランはあまりにも騒がしいので目を覚ましたようだったが事態がよくわからなかったためそのまま傍観し始めた。
ロシ「はあああああ…死ねえぇぇえぇえ!!!」
ロシからはもはや狂気としか見られないオーラが出ていた。
采とsayaの2人はあまりの狂気に怖気づき、動くことが出来ない…
60B「…」
ロシは60Bの様子がおかしい事に気がついた。
ロシ『何だこの男は!!!?我の術が…効いていないとでもいうのか…!!!?まさか…そんなはずはない…!!我の幻術は我が国の政治家どもにも効いた!!!なのになぜコイツは効かないのだ!!?まさか…この男はどうしようもない奴なのか…!!?』
60Bは術に怯えてはいたが、何も変化がないことに気づき始めた…
60B「あれ?俺…何も起こらないぞ?」
ロシは今までで最高の力を使い、60Bに術をかけ始めた。
ロシ「このおぉおぉおおぉ!!!」
だが60Bには全く効いていない…
60B「俺すげー!!なんともないぞー!!!」
采・saya「この人すごい…」
60Bは調子に乗り始めたかのようにロシの方へ一歩ずつ近づいてゆく…
ロシ「何をする気だ!やめろ!こっちに来るな!!!うわああああああ!!!」
60B「俺がお前を倒すためだ…これも挑戦だろう?」
ロシ「やめろおおおおお!!!」
60Bがあまりにも近づいたためロシは自分の幻術が暴発したことに気がついた。
ロシ「まずい!暴発したら…俺がやられる!!!うわああああっ!」
ロシの身体が白く光り始めた。
傍観していたヴァルグランは身の危険を感じた。
ヴァル「危ない!」
ヴァルグランはとっさに采とsayaを両脇にかかえると、自分の翼を使って天井に開いた穴へと飛んでいった。
3人が脱出したと同時に食事販売所の方で爆音が聞こえた。
その方向を見ると食事販売所で爆発が起こっており、穴の所から煙があがっている…
采「そんな…あの人が…」
saya「あの人…何者だったんだろう…」
ヴァル『あーあ…あの岩も持ってくるべきだった…』
モニターには爆発の情報などが流れている。
『風のエリアにて10番脱落(56番)』
『風のエリア食事販売所にて爆発が起こった。よって風のエリア食事販売所は封鎖することが決定した…』
『氷のエリアにて14番、45番、89番脱落(19番)』
『85番が脱出成功…残りワープゾーンは2つ』
采「封鎖されちゃったね…」
saya「あの人も…死んじゃうのかな…」
2人は60Bの事を考えた。
ヴァル「あいつは身を犠牲にしてまでお前らを救ったんだ…こうなればお前らが生きて…」
ヴァルグランが言い終わらないうちに何かの叫び声が聞こえてきた。
ヴァル「あ?何だ…?」
彼が振り向くと60Bがものすごいスピードでヴァルグランたちの方向へ飛んできている。
ヴァル「!!?」
ヴァルグランもとっさにかわした。
60B「またこうやって空中に逆戻りかー!!!それではみなさん!さよーならあーーーっ!!!!!」
60Bはまたしても空中へと去って行った。
采「わーい!あの人生きてたー!」
saya「よかったよかった!…けど『また』ってどういうことだろう?」
采「さあ…」
ヴァル「あいつは最後まで残りそうだな…色んな意味で…」
ヴァルグランは呆然として60Bを見送った。
ヴァル「…後お前ら、落ちたくないなら暴れんな……俺も飛ぶのはめんどいんだ…」
2人「はい…」
場所は変わってここは誰もいない筈の火のエリア…
岩陰に謎の人影がいた…
ユー「これであの男も逃げたな…よかった…」
ユーフだった。
彼は逃げていなかった…
ユー「おや?溶岩が近づいてきている…けどもう探す気力もない…」
ユーフの左足はもはや限界だった…
溶岩はユーフのもとへと着実に近づいている…
ユー「フッ…皮肉だねえ…俺が倒したやつの傷がここで影響するなんて……しかも俺の苦手な火で最期を迎えるなんて…逃げたくてももう動けない…結局、俺は勝負よりも人助けの方が向いてるってことだよな…キラとか言ってたな、あの男………生き延びろよ…」
ユーフは地面に大の字になって寝転がった。
地面の熱が全身にしみわたった…
ユー「ここは暖かいな……それに熱が加わってきた…骨身も溶ける感触だぜ…フッ…」
ユーフは溶岩に包まれて消えていった…
『火のエリアは封鎖された。火のエリアにて75番焼死…』
風のエリアで見ていたキラは…
キラ「あいつ…逃げなかったのか…!!なんで…!!」
キラは悔しさを押し殺しながらも前へと進んだ…
ユーフの意を受け取ったかのように…
~氷のエリア~
19「おや…75番と言えば彼ですね…彼は『終わり』を知っていた…更には私を共感させる何かがあった…残念ですね…」
~おかえり!空中!~
60B「ただいま!空中!…じゃねえよ!何なのこれ!?結局1話で空へと逆戻りか!?泣くぞ?俺いい加減に泣くぞ?」
※人を助けたんだからいいのでは?
60B「まあね…でも俺が飛ぶのと関係ある?」
※ないですね
60B「覚えてろー!!!誰かー!!!おーろーしーてーー!!!」




