#9.封印、そして別れ
~七無空間運営~
X「アレン!27番と21番の身体能力に何かあったのか!?」
アレン「いえ、原因は未だ不明です!」
X「そいつらは過去の315回の中で出た経験はあるのか!?」
アレン「21番は初参加ですが、27番は…」
X「…なんだって!?」
ここは雷のエリア…
ここでは60Bと一が砂のエリアへと向かっていた…
一「大丈夫かい?」
60B「重いぜこの斧…それで、何で砂のエリアに向かうんだ?」
一「『彼』が唯一嫌うところだからさ」
60Bは怪訝な顔をした。
60B「『彼』って誰なのさ?それに何でそいつが強敵だと知っているのさ?」
一「ボクがこの大会に出たことがあるからさ」
一は冷静に語った。
一「この大会は今回で316回目…ボクは第307回と第311回の大会に出場したんだ」
60Bは驚いて一をまじまじと見た。
60B「それで、結果は?」
一「負けたよ…特に第311回では史上初で最大の事件が起こったほどだったからね」
60B「史上初で最大の事件…?」
一「そう。『優勝者が封印された』んだ…」
60B「封印!?」
一は驚く60Bを後目に話を続けた…
~一の話による事件~
それは第311回での出来事…
一「くっ!なんて強さだ…あの男は…!!」
男「貴方もまだまだですね…どうせなら、人類の終わりを他者と共に味わっていただきたかったのですが、貴方も抗っては他者と同じく私に触れられなかった…私に抗った時点で、貴方の『終わり』は始まっていたのですよ…!」
グシャッ!
一「うっ!」
一は男に顔を踏みつけられた。男は一を踏みにじりながらも更に続ける…
男「さて、貴方は残った中で最後の獲物…確か、最後に消える者は己を包む光から優勝者の願いを傍観する決まりでしたね…では指をくわえて貴方、そして人類が終わるのを見届けるのです!」
その男は一にとどめの一撃を後頭部に放った。一は力なく敗戦してしまったのだ…。
X「見事だった19番、お前が望む権利は何だ?」
そう、第311回の優勝者はあの19番の男だったのだ…。
19「では、『人類すべてを終わらせる権利』を頂きましょうか…」
管理人のXはこの答えを聞いて表情をこわばらせた。
X「今…何と言った?」
19「だから、『人類を終わらせる』のです」
Xは厳しい表情をしている…
X「この空間に於いて、何を不満に思う?」
19「空間ではありません。この世自体に不満があるのです」
X「その不満とは?」
19「人類は我が欲の為にしか動かぬものだ…であれば、この人類を終わらせ、私が新たな人類を作り出すのです…これのどこが良く思わないのですか?」
19番は冷淡な目つきをXに向けた。Xはその目つきに臆することなく答えた。
X「新たな人間もまた、お前の言う欲の為にしか動かないのではないか?」
19番はフッと笑った。
19「それは心配いりませんね。私が人類を操作する…『始まり』をなくすのです…」
X「操作…だと?始まりをなくす…だと…?」
19「そうですとも。今存在する人類は最早動く塵の塊。消してしまえばいいのです…」
Xは拳を自分の椅子に叩き付けた。
X「お前は自分を何だと思っている!?そんなことが許されると思っているのか!?」
19「思っていますとも。人類という名の塵の動きを終わらせるものは最早私しかいない。それに、管理者なるもの優勝者へ向かってのその言伝は如何なものかと思いますがね…所詮、管理者も塵の塊でしたか…」
Xはこの発言に堪忍袋の緒が切れたようであり、自分の持つ宝玉を19番に向けた。
X「お前も所詮は自分の欲に溺れた塵ではないか!」
19番はそれでも笑っている。
19「その玩具を私に向けて何をするのですか?私は優勝者であり、権力を持った者なのですよ?」
X「お前はその意思を曲げないのだな!?」
Xは罵るような口調で19番に宝玉を向けている。
19番はフッと笑っている。
X「ならば、これを食らえ!」
Xがかざした宝玉から無数の雷が19番を襲った。19番の身体は、足の方から蝋人形のように動かなくなってゆく…
19「なるほど…これが貴方の考えですか…いいでしょう…貴方も私に抗う…『終わり』を知らない無脳な者だったのですね…では、刻が来たら、また蘇りましょう…そして、復讐をしてあげましょう…」
X「黙れ黙れ黙れ!」
Xは19番を固めると、光のエリアにある岩の上にその塊を置いたのだった…
一はこの様子をずっと眺めていた…己の光の中から…
~過去終わり~
一「それ以来、312回からは19番は欠番ということになったんだ………」
一が60Bを見ようとしたとき、60Bの姿は無かった。
一が辺りを見回したとき、60Bは向こう側で武器を構えていた。60Bの目の前には番号『100』をつけた女が立っていた…
100「ふーん…ずいぶんと大きい武器なのね…」
100番は60Bを蔑む目つきで睨んでいる。
一「まったく…とんだ邪魔が入ったみたいだね…」
一はそう呟くと、100番の女めがけて走った。
60B「俺も欲しくて持ってるんじゃない!」
100「悪いけど、もうアンタは死ぬの。じゃあね…」
一「逃げて!」
一は60Bを突き飛ばした。
60B「うわっ!何するんだ…え…?」
60Bが一に文句を言おうとした時、すでに一は地上に倒れていた。しかし、血は少しも出ていない。
60B「おい!一!大丈夫か!?」
100「フン…彼はもう死んでいるわ…いえ、『数分後に死ぬ』が正解かしら…」
60B「何!?」
60Bは100番を睨んだ。
100「アタシはどんなツボでも押せるの。だから、この哀れな坊やにも、『死のツボ』を押してあげたのよ…このツボを押されたら、数分で心臓は止まり、身体も動かなくなるってわけ…どう?アンタも受けてみる?」
60B「一…ごめんよ…俺はお前を守れなかった…!」
一は何の言葉も出なかった。彼女の言った通り、死んでいたのだから…
60Bは涙目になりながらも斧を100番に向けて構えた。
100「哀れね…」
100番はため息をついた。
60B「俺は一の分も戦う!絶対にお前を許さない!」
60Bの目は…本気だった…。
~七無空間運営~
『雷のエリアにて1番脱落(100番)』
X「1番がやられたか…」
アレン「56番の身代わりになったみたいでしたが…」
X「共闘…か…」




