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痛みと戦う、ファイター

本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」のep.19 銅等級昇格 までをお読みいただいている前提で書かれております。


未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。

「ではミーも報告でース! 実はナイト部屋では何もアーリマセンが、今日パーティを組んだ子の今後が気になりマース!」


今度は百合先輩がそう言って、報告を始めた。


◆◇◆◇◆


「おはよう。あの……昨日は、ごめんなさい……」


挨拶に続いて、いきなり謝られたのでビックリでシータが、顔を見てすぐ思い出しまシータ。

昨日、森林地帯(昼)にいた時、ワールドチャットの救援要請に応えてくれた子デースネ!


……でも、謝られる理由がないデース!

おっと、今は「花図鑑」として対応しないとデースネ。


「くろんさんの謝罪理由、不明」

「あ、ええと……。私昨日、救援に行ったけど……助けられなかったから……」


実はミー、昨日アイたちのせいで画面が強制的に切り替わった時は戦闘中デシーテ、チャット画面しか操作できなかったデース!

それで一緒に戦ってた1人が救援出したケード、その間エブリワァーンで耐えるしかアーリマセンデーシタ。


バット、やっと操作できるようになったところデ、くろんさんが救援要請に応えて参戦してくれマシータ!

……やっぱり謝罪理由不明デース。


ミーの表情で伝わったみたいで、くろんさんは続けて説明してくれマシータ。


「あの時は……私が戦闘エリアに入ってすぐ、雑魚敵の全体攻撃が来て……。百合さんも私も、ダメージ受けたでしょう……?」

「是」

「早く敵を倒さなくちゃって……分かってたのに、私……あの痛みで、足がすくんで……」


そう言われてみタラ、次の行動までにちょっと時間があった気がシマース。でも……。


「それ当然。謝罪理由、該当なし」

「違うわ……それだけじゃないの……。あの時私、それ以上自分が傷つくのが怖くて……反撃する時、わざと自傷武器を使わなかったの……!」


オゥ……。確かにファイターの武器は、効果が高いものホド、自傷がセットになってマースネー。


「そのせいで、攻撃の威力が足りなくて……敵を倒しきれなくて……。

 あの時……私が迷わず、自傷武器を使えてたら……次の敵の単体攻撃で、百合さんは戦闘不能にならなかったのに……私……!」


それ聞いて、くろんさんの中で昨日のことは、トラウマになってるのかなと思いマシータ。これは放っておくとバッドでスーネ!


「引き続き謝罪理由、該当なし」


ミーは迷わず、笑顔で返答シマース。


「あの時、救援要請に応えた行動力、すでに称賛対象。

また、ナイトは死ぬまで味方を守る仕事。ナイトが倒れた後、敵を倒したくろんさんは、全滅から救った英雄」


実際くろんさんが来たときにはもう、私以外の3人は戦闘不能になってマシータので、間に合わなかったら全滅デシータ。

戦闘不能時の痛みは確かにひどかったデースが、後から入った情報では、全滅時に死を体験するらしいので、それよりましデース!


「……ありがとう……」


ワーオ! やっとくろんさんの表情が和らぎマシータ!


「次からは私……百合さんみたいに、全力でファイターの仕事を全うするわ……!」


でも安心するのは早かったデース。その言葉の意味を、ミーはすぐ知りマシータ。


何とくろんさんは雑魚敵相手デーモ、痛みに顔をしかめながら、全力で攻撃し始めたのデース! ファイターの全力攻撃は、自傷とセットが基本デースネー!


「えっと、雑魚相手だし、そこまで全力出さなくていいですよ……?」


ミー以外の人も、さすがに気になったみたいデース。


「いいの……。火力が出る方が、自分が貢献してるって実感できるから……」

「とはいえ、雑魚相手にそれは、さすがに過剰攻撃じゃ……?」


今回のパーティは、地属性のものしか全体攻撃武器を持ってる人がいなかったので、その人が倒しきれなかった分を、くろんさんが火属性の武器で倒すという作戦デシータ。

なので、そこまで強力な攻撃はいらなかったケド、くろんさんが選んだのは自傷双剣デシータので……。


プリーストさんが回復メイス使う前に戦闘終了になって、くろんさんのHPは減る一方デース! 仕方ないので、次の戦闘開始直後にプリーストさんが回復する感じになってマシータ!


そしてそのまま、今日のクエストが終了デース。


◆◇◆◇◆


「というわけで、本人的には無理してないかもデースが、見てるこちらは心配デース!」

「ふえぇ……。それは確かに、だめぇ~……」


自分が全力出さないと誰かが戦闘不能になるって思ったら、手を抜けなくなっちゃったのかな?

だとしても、そこまで自分を追い込まなくていいのに……。


「そうだね。じゃあくろんさんに関しては、そのあたりを注意するってことで!」

「よろしくお願いしマース」


アタシは忘れないように、これもメモに残すことにする。


「というか、百合先輩ももう、戦闘不能を経験してたんですね……」

「イエース! ペンタスちゃんは、全滅経験アーリマスよね? どうデシータ?」


その情報、もう把握されてるんだ……ほんとみんな、よく見てるなぁ。


「あれは……正直最初は、この痛みで本当に死んじゃうのかなって思ったわ。たまたま救護室で介抱してくれた人がいたから、まだ生きてるって実感できて、戻ってこれた気がする……」

「それ、実は本当に怖いんだよ。『ブアメードの実験』って知ってるかな? 人は思い込みで死ぬことがあるんだよね」

「にゃんですと!?Σ(艸ωΦ)」


私も知らなかったけど、後で向日葵先輩から聞いた説明を簡単にまとめると、そういう心理実験をやった結果、実際に死んでしまった人がいるらしい。


「じゃあ今のポンたちは、精神世界に閉じ込められてるから、特に危ないポン!?」

「せやな……誰も助けてくれないって思い込んだらあかんやろ。少なくとも1人で戦わん方が良さそうや」

「それか、自分が絶対に死ねない理由がないとね」


うーん、アタシには「自分が絶対に死ねない理由」ってちょっと思いつかないから、今後も「誰かが絶対助けてくれる」状況じゃないと厳しいかなぁ。


「じゃあもしかしてぇ~、明日アークタルラの情報分析する時にぃ~、誰か救護室に待機したほうがい~い……?」

「♡(´ Pゝω・)ニャンニャン」


というわけで、ボス戦の情報分析をする時は必ず、アタシが救護室に待機することになった。


余談だけど、次の日にアークタルラ戦でガッツ受けしたくろんさんを見て、アタシたちは全員顔がこわばったけど、その後即回復作業に向かったプリーストさんがくろんさんと知り合いらしいと知って、こう思った。


「もしかしてあの人がいるから、くろんさんガッツ受け作戦なんか取っても大丈夫と思ってたんじゃ……?」

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