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転生したら伝説の育児師になってた件~現代育児知識で異世界の子供たちを最強に育てます~  作者: ならやまわ


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14.ヘルプちゃん?

それから数日。

俺は、自分の体の変化に驚いていた。

睡眠時間が2時間の仮眠だけで十分になったのだ。

以前は8時間寝ていたが、今は2時間で完全回復する。


「信じられない…」


朝4時に起きて、家事と訓練の準備。

6時に子供たちを起こす。

日中は育児と訓練。

夜は読み聞かせと片付け。

2時間だけ仮眠して、また朝4時に起きる。


「全然疲れない」


体力155の恩恵は、想像以上だった。


「これなら、対決までにもっと準備できる」


俺は、決意を新たにした。





その夜、俺は疑問を抱いていた。

スキルリストを開く。


育児眼ペアレント・ビジョンLv.2】

【父の温もり(コンフォート・オーラ)Lv.2】

愛情促進アフェクション・ブーストLv.2】


「スキルレベルか…」


スキルレベルが上がると、何が変わるんだ?


「そもそも、どうやって上げるんだ?」


その瞬間、視界にメッセージが表示された。


-----


【転生特典解放!】


転生特典:**ヘルプ機能**

解放条件:システムに疑問を持った


あなたの疑問にお答えします!


-----


「…ヘルプ機能?」


すると、目の前に小さな光が現れた。

光が、だんだん形を成していく。

小人サイズの、天使のような姿。

茶髪で、小さな羽を持った、可愛らしい女の子。


「はじめまして、イク様!」


明るい声が響いた。


「わたしは、ヘルプちゃんです!」


小さな女の子が、嬉しそうにくるくる回る。


「ヘルプ機能の案内役として、イク様のお手伝いをします!」


「…ヘルプちゃん?」


「はい!イク様が困った時に、説明するのがわたしのお仕事です!」


「そうか…イク様って呼ぶのか」


「はい!親しみを込めて、イク様です!」


俺は、この小さな存在を見つめた。

転生特典の一つが、ヘルプ機能らしい。


「じゃあ、質問がある」


「はい!なんでもどうぞ!」


「スキルレベルって、何の意味があるんだ?」


「いい質問です!」


ヘルプちゃんが、指を立てた。


「まず、通常のスキルについて説明しますね」


「通常のスキル?」


「はい!普通の人のスキルは、レベルが上がると魔力消費が減ったり、効果が強くなったりします。イク様みたいにステータス画面などないので、そこは体感になるんですけどね。」


「魔力消費…」


「はい。普通の人は、スキルを使うたびに魔力を消費します」


「でも、イク様のスキルは特別なんです!」


「…特別?」


「はい!神様が『育児に集中できるように』と、魔力消費を完全に取り除いてくださったんです」


「魔力消費が…ないのか」


「はい!そもそも、イク様には魔力という概念自体がありません」


「え、そうなのか?」


「はい!普通の人は魔力を消費して魔法やスキルを使いますが、イク様のスキルは無限に使えます」


「…無限に?」


「はい!だから、魔力切れの心配もありません!」


ヘルプちゃんが、嬉しそうに説明する。


「…だとしたら、スキルレベルが上がっても、魔力消費が減る恩恵が受け取れないってことか」


「そうです!その代わり、イク様のスキルレベルアップによる恩恵は『新機能解放』なんです」


「新機能?」


「はい!例えば、Lv.2になった時、『追加効果付加システム』が解放されましたよね?」


「…ああ、あったな」


「Lv.3になったら、また新しい機能が解放されますよ!」


「そうなのか。次はどんな機能なんだ?」


「それは…お楽しみです!」


ヘルプちゃんは、ウインクした。


「スキルレベルはどうやって上げるんだ?」


「イク様のスキルは、使うたびに経験値が貯まっているんです!」


「経験値?でも、表示されてなかったぞ?育児師の職業経験値はたまに出たりするが…」


「はい!スキル経験値は、表示されません」


「…なんで?」


「おそらく使う頻度が高くなるから、頻繁にでてきてたら目障りになるだろうって、神様が『育児に集中できるように』と、あえて表示しない設計にしたんです」


「なるほど…」


「後は数字ばかり気にして、本当に大切なことを見失わないように、って意味もあります」


確かに、それは神様らしい配慮だ。


「それと、スキル経験値は全部連動しています!」


「連動?」


「はい!イク様が1つのスキルを使うと、全スキルの経験値が同時に貯まるんです」


「だから、『このスキルだけ使ってない』という心配はいりません!」


「便利だな」


「はい!それが、神様の優しさなんです!」


ヘルプちゃんが、嬉しそうに笑う。


「分かった。ありがとう、ヘルプちゃん」


「どういたしまして!」


「それじゃあ、わたしはこれで」


「もう行くのか?」


「はい!でも、また困った時は呼んでくださいね」


「どうやって?」


「心の中で『ヘルプ』と呼びかけてください。すぐに来ますよ!」


「分かった」


「それでは、頑張ってくださいね、イク様!」


そう言って、小さな女の子は光になって消えた。


-----


【ヘルプ機能の使い方】


疑問に思ったことがあれば、心の中で「ヘルプ」と呼びかけてください。

ヘルプちゃんが現れて、説明してくれます。


-----


「ヘルプちゃんか…」


便利な機能だ。


「魔力消費がないってのは、ありがたいな。それとスキルレベルが上がると、新機能が解放される…か」


いつ上がるか分からないが、楽しみだな。

俺は、ステータス画面を閉じた。


「さて、次は…」


称号が17個になった。

3回目の追加効果付加ができる。

俺は、早速スキルリストを開いた。


-----


【付加可能なスキル】


必要称号数:17個(現在:17個保有 - 条件達成)


**【育児眼ペアレント・ビジョンLv.2】**


▼ 追加効果候補A:同時視認数増加


- 効果:同時に3人まで詳細情報を視られる


▼ 追加効果候補B:過去視


- 効果:子供の過去の記憶の一部を視ることができる


▼ 追加効果候補C:未来予測強化


- 効果:成長予測の精度がさらに上昇


-----


**【父の温もり(コンフォート・オーラ)Lv.2】**


▼ 追加効果候補A:範囲拡大


- 効果:半径5m → 半径10m


▼ 追加効果候補B:体調回復


- 効果:軽度の体調不良を緩和


▼ 追加効果候補C:成長加速強化


- 効果:成長速度ボーナス +10% → +20%


-----


**【愛情促進アフェクション・ブーストLv.2】**


▼ 追加効果候補A:発動条件緩和


- 効果:必要信頼度 50 → 30


▼ 追加効果候補B:効果強化


- 効果:開花速度 +20% → +40%


▼ 追加効果候補C:絆の共鳴


- 効果:信頼度80以上の子供同士が近くにいると、互いの成長速度が上昇


-----


次回の付加条件:称号30個以上(現在17個 - あと13個必要)


-----


「…どれにするか」


俺は、選択肢を見つめた。


「…あれ?前こんな効果あったか?」


前回、【愛情促進アフェクション・ブースト】に付加した「守護の加護」は、今回の選択肢にはないのは分かるが。 

見覚えのない効果が増えてる気がした。


「ヘルプ」


俺は、心の中で呼びかけた。

すると、小さな光が現れた。


「お呼びですか、イク様?」


ヘルプちゃんが、嬉しそうに現れる。


「質問がある」


「はい!なんでもどうぞ!」


「追加効果付加の候補って、毎回同じなのか?」


「いい質問です!」


ヘルプちゃんが、指を立てた。


「毎回変わります!」


「…変わる?」


「はい!付加できる追加効果は、その時々でランダムに選ばれるんです」


「つまり、今回選ばなかった効果は…」


「次回出るとは限りません!」


ヘルプちゃんが、真剣な顔で言う。


「もちろん、同じ効果が再び出ることもあります」


「でも、それがいつになるかは分かりません」


「…なるほど」


「ですから、『今、本当に必要なもの』を選ぶことが大切なんです!」


「後悔しない選択を、ですね!」


ヘルプちゃんが、にっこり笑う。


「分かった。ありがとう、ヘルプちゃん」


「どういたしまして、イク様!」


ヘルプちゃんが、光になって消えた。


「…今、必要なもの」


俺は、改めて選択肢を見つめた。


リュクのトラウマ。

アリアの体調管理。

対決に向けた準備。


「体調回復だ」


これなら、2人の体調を支えられる。

そして、もしかしたら…リュクの心にも効くかもしれない。


「これで」


-----


【追加効果付加】


スキル:父の温もり(コンフォート・オーラ)

追加効果:体調回復


付加しますか? → はい


-----


【付加完了】


父の温もり(コンフォート・オーラ)に追加効果が付与されました


**体調回復:軽度の体調不良を緩和**

※ 範囲内の子供の体調不良を少しずつ回復させる


保有称号:17個

次回の付加条件:称号30個以上


-----


【父の温もり(コンフォート・オーラ)Lv.2】


- 効果:半径5m以内の子供に安らぎを与える

- 範囲:半径5m

- 消費:なし(常時発動可能)

- 追加効果1:成長加速強化(成長速度+10%)

- 追加効果2:体調回復(軽度の体調不良を緩和)


-----


「体調回復か…」


これで、リュクやアリアの体調を支えられる。

でも、ふと疑問が浮かんだ。


「体調回復…これって、リュクの心にも効くのか?」


リュクのトラウマ。心の傷。

それも「不調」の一種なら…。


「こういう質問にも、答えられるのか試してみるか…ヘルプ」


俺は、心の中で呼びかけた。

すると、小さな光が現れた。


「またまた〜!お呼びですか、イク様?」


ヘルプちゃんが、嬉しそうに現れる。


「何度も悪い、質問があるんだ」


「はい!なんでもどうぞ!」


「体調回復って、体だけじゃなくて…心にも効くのか?」


「いい質問です!」


ヘルプちゃんが、指を立てた。


「効きますよ!」


「…本当か?」


「はい!体調回復は、身体の不調だけでなく、精神の不調にも効果があるんです」


「精神の不調…」


「はい!トラウマや心の傷も、『不調』の一種です!だから、体調回復の効果で、少しずつ癒えていきますよ」


「そうか…」


俺は、リュクの寝顔を思い浮かべた。


「ただし、心の傷は身体の傷より時間がかかります」


「…だろうな」


「でも、イク様が側にいて、【父の温もり(コンフォート・オーラ)】が常に発動していれば、確実に良くなっていきますよ」


「分かった。ありがとう、ヘルプちゃん」


「どういたしまして、イク様!」


ヘルプちゃんが、光になって消えた。


「よし…」


これで、リュクをもっと支えられる。

俺は、寝室の方を見た。

リュクとアリアが、静かに眠っている。


「お前たちを、必ず守る!そして対決に勝つぞ」


窓の外を見る。

月が昨日よりも、綺麗に輝いていた。


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