表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら伝説の育児師になってた件~現代育児知識で異世界の子供たちを最強に育てます~  作者: ならやまわ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/27

13.対決への準備


ペルカの視察から、1週間が経った。

俺は、リュクとアリアの訓練を続けていた。

対決まで、あと1ヶ月半。


「リュク、今日は腕立て伏せ20回だ」


「うん!」


リュクが、腕立て伏せを始める。


「1、2、3…」


以前は10回が限界だった。


でも今は…。


「18、19、20!」


「できた!」


リュクが、嬉しそうに笑う。


「すごいぞ、リュク。倍できるようになったな!」


「本当だ!俺、強くなってる!」


リュクの目が、輝いている。


【経験値+3獲得】

【育児経験値:153/300】


子供の成長を見守ることが、俺の経験値になる。

この育児経験値が貯まると、育児師としてレベルアップする。俺と子供達の成長が数値化できるのは、本当にありがたい。


「次は、走り込みいけるか?無理はするんじゃないぞ」


「おう!」


リュクが、庭を走り始める。

以前より、足取りが軽い。


「いい動きだな、リュク…!」


体力がついてきた証拠だ。

リュクの訓練が終わった後は、アリアの番だ。


「アリア、今日は新しい魔法を教えよう」


「あたらしいまほう?」


「うん。今まで光の玉を作ってきたけど、今度はそれを動かしてみよう」


「うごかす?」


「そうだ。光の玉を、自分の意思で動かすんだ」


アリアが真剣な顔で頷く。


「まず、いつものように光の玉を作って」


「うん!」


アリアが、手のひらに光の玉を作る。


ポワン。

安定した、綺麗な光の玉。


「よし。じゃあ、その玉を…こっちに動かしてみて」


俺が、少し離れた場所を指さす。


「…むずかしそう」


「大丈夫、ゆっくりでいいぞ」


アリアが、光の玉を見つめる。


「…うごけー」


光の玉が、ゆっくりと動き始めた。


「あ、うごいた!」


「すごいぞ、アリア!」


光の玉が、ふわふわと空中を漂う。


「えへへ!」


アリアが、嬉しそうに笑う。


【経験値+5獲得】

【育児経験値:158/300】


2歳で魔力のコントロールが、ここまでできるのは異常だ。でもそれはアリアの才能と、日々の努力の結果。俺はそれを引き出しただけだ。


「じゃあ、今度は光の玉を2つ作って、両方動かしてみよう」


「りょうほう?」


「うん。できるか?」


「…やってみる!」


アリアが、両手に光の玉を作る。

そして、2つの光の玉をゆっくりと動かす。

ふわふわと、空中を漂う2つの光。


「すごい!アリア、天才だな!」


「やったー!」


【経験値+5獲得】

【育児経験値:163/300】



昼休憩を挟んだあと。

午後からは、3人で公園に行った。

リュクとアリアが、一緒に遊んでいる。


「リュクお兄ちゃん、まてー!」


「追いつけるかな、アリア!」


2人とも、笑顔だ。

他の子供たちも、リュクとアリアと遊んでいる。


「リュク、一緒に鬼ごっこしよう!」


「ああ!」


リュクが、友達と走り回る。

心を閉ざしていたリュクが、こんなに明るくなった。


「ぱぱ、見て!」


アリアが、滑り台を滑る。


「すごいぞ、アリア!」


「えへへ!」


俺は、ベンチに座って2人を見守る。

子供にとって、遊びは大切な学びの時間だ。

体を動かすことで運動能力が育ち、他者と関わることで社会性が育つ。特に幼児期の全身運動は、脳の発達にも直結する。走る、跳ぶ、バランスを取る。そういった動きが、思考力や判断力も鍛えるんだ。

だから俺は、毎日公園に連れてくる。


訓練だけじゃない。

遊びも、大切な育児の一部だ。

その時、一人の女性が俺に近づいてきた。


「イクノ・メンさん…ですよね?」


「はい、どうされましたか」


見知らぬ女性だった。

30代くらいで、優しそうな顔立ちだった。


「私、近所に住んでいる者です。いつも、お子さんたちの面倒をよく見ていらっしゃいますね」


「ありがとうございます」


「それで、実は…」


女性が、少し恥ずかしそうに言う。


「うちの子も、預かっていただけないかと思いまして」


「預かりですか?」


「はい。私、仕事で忙しくて、なかなか子供の面倒を見られなくて」


「でも、イクノ・メンさんのお子さんたちを見ていると、本当に楽しそうで」


「うちの子にも、ああいう時間を過ごさせてあげたいんです」


女性が、真剣な目で俺を見た。


「…分かりました。詳しい話は、後日うちに来ていただけますか?」


「本当ですか!ありがとうございます!」


女性が、嬉しそうに頭を下げた。


「では、また待ってます」


女性が去った後、俺は小さく笑った。

近所の評判が、少しずつ上がってきている。

これもリュクとアリアのおかげだ。


【経験値+5獲得】

【育児経験値:168/300】


-----


【称号獲得!】


称号:**「地域の信頼」**

取得条件:近隣住民から子供の預かりを依頼された


保有称号数:13個 → 14個


-----


【経験値+30獲得】

【育児経験値:198/300】

 




夕食後、3人でまた絵本を読んだ。


「むかしむかし、あるところに…」


アリアとリュクが、俺の両脇に座っている。


「ぱぱ、このおはなし、もうおぼえちゃった」


「そうか。じゃあ、アリアが読んでみるか?」


「うん!」


アリアが、絵本を見ながら話し始める。


「むかしむかし、おひめさまがいました」


まだ字は読めないが、何度も聞いた物語を覚えているんだ。


「すごいな、アリア」


「えへへ」


リュクも、静かに聞いている。


「リュクも、物語は好きか?」


「…うん。昔、母さんがよく読んでくれた」


リュクの表情が、少し寂しそうになる。


「そうか」


「でも、今はイクメンが読んでくれるから…寂しくないよ」


リュクが、小さく笑った。

俺は黙ってリュクを抱きしめた。

なんて、可愛いんだろうか。


【経験値+5獲得】

【育児経験値:203/300】


-----


【称号獲得!】


称号:**「心の傷を癒す者」**

取得条件:トラウマを抱えた子供の心を、少しずつ癒した


保有称号数:14個 → 15個


-----


【経験値+30獲得】

【育児経験値:233/300】


-----


2人を寝かしつけた後、俺は一人で考えていた。


「対決まで、あと1ヶ月半。称号は15個…あと2個で、次のスキル付加ができる。それに、育児経験値も貯まってきた」


あと少しで、レベルアップできそうだ。


「もっと、頑張らないと」


リュクとアリアのために。

そして、男性育児師の未来のために。





翌日。

俺は、リュクとアリアに特別な訓練を提案した。


「今日は、2人で協力する訓練をしよう」


「きょうりょく?」


「うん。リュクとアリアが、一緒に何かをするんだ」


「なにするの?」


「魔法と、体術の組み合わせだ」


俺は庭に的を置いた。


「アリア、光の玉を作ってリュクに渡してみて」


「わたす?」


「ああ。光の玉を、リュクの手元まで動かすんだ」


「そして、リュクがそれを投げる」


「…投げる?」


リュクが、首を傾げる。


「ああ。魔法の玉を、物理的に投げるんだ」


「面白そう!」


リュクが、嬉しそうに笑う。


「じゃあ、やってみよう」


アリアが、光の玉を作る。


そして、リュクの手元まで動かす。


「リュク、受け取って」


「おう!」


リュクが、光の玉を掴む。


「…温かい」


「じゃあ、投げてみろ」


「うん!」


リュクが光の玉を、的に向かって投げる。


ビュン!…パンッ!

光の玉が的に命中して、弾け散った。


「当たった!」


「やったー!」


2人が、喜んでいる。


「すごいぞ、2人とも。これが、連携だ」


「れんけい?」


「うん。一人じゃできないことも、協力すればできる」


「リュクとアリアは、家族だ」


「だから、お互いを助け合うんだ」


リュクとアリアが、お互いを見て笑った。


「うん!」


【経験値+10獲得】

【育児経験値:243/300】


-----


【称号獲得!】


称号:**「家族の連携」**

取得条件:子供たちに協力することの大切さを教えた


保有称号数:15個 → 16個


-----


【経験値+30獲得】

【育児経験値:273/300】


その後。

家に帰る前に俺は、最後の仕上げをした。

リュクに、基礎的な剣術の型を教える。


「剣を握る時は、力を入れすぎない」


「…こう?」


「ああ、そうだ。力を抜いて、でもしっかりと」


リュクが木剣を握る。


「じゃあ、素振りをしてみよう」


「うん!」


リュクが、剣を振る。

最初はぎこちなかった動きが、少しずつ滑らかになっていく。


「いいぞ、リュク」


「もう一回!」


リュクが何度も剣を振る。

その目には強い意志がある。

「守りたい」という、想い。

それがリュクを強くしている。


【経験値+5獲得】

【育児経験値:278/300】





そして、数日後。

俺は、リュクとアリアの成長を改めて確認した。


**リュク:**


- 腕立て伏せ20回

- 基礎的な剣術の型を習得

- 友達ができた

- 笑顔が増えた


**アリア:**


- 光の玉を自在に動かせる

- 2つの光の玉を同時操作

- 魔力のコントロールが向上


2人とも、確実に成長している。


「よし…」


俺は決意を新たにした。

その時、近所の子供が転んで泣いているのが見えた。


「大丈夫か?」


俺は、すぐに駆け寄った。


「ひざ、すりむいちゃった…」


「見せてごらん」


軽い擦り傷だった。


「大丈夫、すぐ治るよ」


俺は、家から水と布を持ってきて、傷を洗って包帯を巻いた。


「痛くなくなった?」


「…うん」


子供が、小さく笑った。


「ありがとう、おじさん」


「どういたしまして。気をつけて帰るんだぞ」


「うん!」


子供が、元気に走っていった。


【経験値+5獲得】

【育児経験値:283/300】


-----


【称号獲得!】


称号:**「優しさの連鎖」**

取得条件:自分の子供以外にも、優しさを示した


保有称号数:16個 → 17個


-----


【称号数ボーナスで経験値+30獲得】

【育児経験値:313/300】


-----


【レベルアップ!】


【育児師 Lv.3 → Lv.4】


**未振り分けステータスポイント:+100**


【育児経験値:13/400】


-----


「凄い経験値が入ったな。レベルアップした…」


俺は自分のステータス画面を見つめた。


-----


【イクノ・メン 】


レベル:4

職業:育児師


**基礎ステータス**


- 体力:55

- 筋力:38

- 器用さ:52

- 知力:55

- 精神力:38

- 魅力:30


**未振り分けステータスポイント:100**


-----


「100ポイントか…」


前回は、バランスよく振り分けた。

でも、今回は…。


「試してみるか」


俺は、ふと思った。


「100ポイント全部を、一つのステータスに振ったらどうなるんだ?」


好奇心が湧いた。

対決まであと1ヶ月。

体力があれば、訓練も家事も、もっと効率的にできるはずだ。


「よし、体力に全振りだ」


俺は、100ポイント全てを体力に振り分けた。


-----


【ステータス振り分け完了】


- 体力:55 → 155


-----


「…っ!」


その瞬間、体に力が漲った。

全身に、熱いエネルギーが流れ込む。


「これは…」


体が、軽い!

まるで羽が生えたような感覚。

疲労が完全に消えた。


「すごいな、体力155。こんなに変わるのか。これなら、一晩中でも動けそうだ」


いや、もしかしたら…。


「睡眠時間も減らせるかもしれない」


この体力なら、仮眠だけで十分かもしれない。


「試してみる価値はあるな」


俺は、窓の外を見た。

まだ夜中だが、全く眠くない。


「よし、この時間を使おう」


リュクとアリアのために。

対決の準備を、もっと進められる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ