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吹奏楽部の発表会
数週間後、美咲の吹奏楽部の発表会に行く。
勉と一緒に、体育館の客席に座る。
美咲が舞台に立つ。
栗毛がスポットライトに輝き、トランペットを構える。彼女の目は、キラキラと輝いていた。
演奏が始まる。
美咲のトランペットの音は、力強くて、でもどこか優しい。
仲間と作り上げたハーモニーが、体育館を満たす。
彼女が話していた、コンクールへの情熱、仲間との絆。それが、音になって響く。
美咲、すごいよ。きれいだよ。
胸が熱くなる。
演奏が終わると、観客が拍手で沸く。
美咲がこちらを見て目配せしてくれた。
私と勉に手を振るその笑顔に、涙がこぼれそうになる。
勉がそっと私の手を取る。
「斎藤、すげえな。なんか、元気出るよな」
私は頷き、笑う。
「うん。新開くんと一緒に聞けて、もっと嬉しいよ」




