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漂流のシルエット  作者: 木里 いつき
本編 漂流のシルエット
13/33

なんで?


言わないで。



そう心の中で叫ぶ。昨夜のことを口にされたら、もうここには来られない。

図書室は私の逃げ場なのに。

なのに、彼の視線が、そっと私を捉える。

鋭い目。でも、どこか優しい。


なんで、そんな目で私を見るの?


軽蔑じゃない。嘲笑でもない。

何にも知らない顔をしてこちらを見る。


そんなわけない。

だって、彼は見たんだ。みじめな私を。

宇宙人とホテルに向かう、汚い私を。


「具合悪いのか?保健室行くか?」


その言葉に、心臓が止まりそうになる。


見透かされてる?


「うん……疲れてるだけ」



嘘だ。本当は、疲れてるなんてレベルじゃない。


彼は小さく頷いて、参考書に視線を落とす。


「言っただろ、無理すんな」



なんで?

なんで、昨夜のことを見たのに、こんな優しい言葉をくれるの?


ティラノサウルスに見えていた彼は、誰よりも人間らしい。



軽蔑も、嘲笑も、拒絶もない。

ただ、静かな気遣い。


彼、ほんとに、私を嫌ってないの?


信じられない。だって、彼は見たんだ。みじめな私を。私の一番汚いところを。

なのに、まるで何も変わらないみたいに、こうやって話しかけてくれる。




もしかして、知らない?

なんで、何も言わないの?


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