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てきとうでいい
タコと出会った次の日の放課後。
バカみたいに毎日、図書室で、勉が目の前に座ってる。
彼はメガネを外し、目をこすりながら、軽く笑う。
「夕凪、最近、なんか顔暗くね? 大丈夫か?」
その言葉に、胸が締め付けられる。
宇宙人との夜のことが、頭をよぎった。
見透かされてる?
「うん……ただ、ちょっと疲れてるだけ」
嘘だ。本当は、疲れてるなんてレベルじゃない。心がボロボロだ。
宇宙人との行為は、一瞬の空白を与えてくれるけど、すぐに深い空虚が押し寄せる。
なのに、止められない。
わたし、なんでこんなことしてるんだろう。
その問いには答えがない事を私は知っている。
彼は小さく頷いて、参考書に視線を落とした。
「疲れた時は、適当にすりゃいいんだよ。無理すんな」
その言葉に、涙がこぼれそうになる。
ティラノサウルスにみえていた彼は誰よりも人間らしい言葉をくれた。




