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第1話:悪役の妹に転生した末路






「あーあ、やっぱりこうなっちゃったか」


 私、ルリアーナ・エルエスはこないだ転んで頭を打った衝撃で前世の記憶を思い出した。


 そしてこの世界が前世で大好きであった乙女ゲームであったこと、加えて私ルリアーナの姉リリアーネがゲームの主人公と敵対する悪役令嬢であったことも分かってしまった。

 

 ゲームの顛末としては、リリアーネの蛮行、そして両親も色々と黒いことをしていたことが明るみになりお家は取り潰し、一家は離散という目に遭ってしまう。


 じゃあ何も悪いことをしていない私はというと、ゲームでは描写されていない。


「もう少し早く気づけなかったことが悔やまれる……」


 私が記憶を取り戻した時には、物語はほとんど終盤でそこから姉や両親を救う暇などなかった。


 そもそも姉や両親と関わりが薄く、私は使用人に育てられたのであまり悲しみもない。 問題はこれからの生活である。


「貴族の令嬢から家無し、金なしはギャップがひどすぎる――


――しかし! 私にはこの世界の原作知識がある!」


 前世の記憶だけが今の私にとって希望である。


 物語に介入して良い感じのポジションを得るという展開はもう叶わない。


 しかしこの世界にある隠し要素や。物語本編には影響しない余分なイベントをこなすことによってなんとか生きて行こうと私は考えた。


「まずは住む場所を確保しよう!」


 私は現在、魔法学園に通う一年生だ。

 そして寮に住んでいる。


 しかし金がないので追い出されることは確定である。

 幸い、学園は三年分の授業料を一括払いされているため退学する必要はないので、その点は両親に感謝だ。


 当面の計画としては勉強を頑張って、就職して生計を立てること。

 とはいえそれまであと二年と少しかかる。 それまでホームレスをするわけにはいかないだろう。


「確かここら辺にあったはず」


 私は学校へ向かうと、中庭で見つけた目当ての木に手を添え魔力を流す。


「やった! 本当にあった!」


 瞬きの間に視界が切り替わった。


 部屋の隅には小さなキッチン、お風呂もあった。

 さらには、古い魔法の本や宝石、魔法の触媒などがたくさん保管されていた。


 ゲームの本編には関わりのない隠し部屋である。


「よし! ここから心機一転頑張って生きて行こう!!」


 私はそう一人決意し、部屋の中を漁り始めたのであった。











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