【光らないのには】あれ?今回の料理あれ多くない?【理由がある】
「ジョージー!オハシの用意できたよー!」
「おー、それじゃ配信の準備もしててくれるかー?」
「ハーイ!」
「ぴぁー?」
「ロゼは……遊んでていいぞ?」
「ぴぁ!」
ユグドラシルから燻製用の枝をもらってから数日後の夜。今日の料理のメイン食材がようやく出来上がったので配信の予定だ。
今はすでに完成している各料理を温め直しているところで、オーロラには軽い食器類と配信の準備をお願いしている。ロゼもなにか手伝いたいお年頃なのだろうか、キラキラとした目で催促してきたが……子供は遊ぶのが仕事だから……
「しかし本当に光らなかったな……」
実はメイン食材を燻製する過程でユグドラシルの言葉が真実かどうか確かめる意味を込めて、追加でベビーチーズを燻製させ食べてみていた。枝の燻製の匂いのネタバレになってしまうが、配信で無駄に光って視聴者に追求されるよりはいいだろうと思って。
それでも感動はしたいから出来るだけ味わわないように、クリップで鼻をつまんで口に入れたら機械的に咀嚼してすぐに飲み込んだ。だいぶ滑稽だったのだろう、オーロラにはしっかり笑われました。
結果としてユグドラシルの言葉通りに俺の体は光ることはなかった。……心なしか体力が回復した感はあるけれど。
ユグドラシル曰く、そもそも今まで光っていたのは一部とはいえ世界樹ユグドラシルを取り込んだために魔力とかいろんな力を抑えることができず、毛穴とかから漏れ出た結果ということらしい。
で、今はユグドラシルの素材を食べ続けて、尚且つ数々の戦闘を繰り広げたことで身体が適合し、素材にある力を漏らすことなく吸収できるようになったとのこと。
取り込むのも素材そのものではなく燻製――つまりは煙に含まれた成分のみを摂取するため、光が漏れることは万が一にもないようだ。ただ「我がもーっと力を込めた素材を食べれば結局光るけどなのだよ」とも言っていたのは不穏ではあるが。
まぁそれでも下手に光らなくなったのは好都合だ。今後もユグドラシルの素材をそのまま配信で出すことは無いだろうが、燻製みたいにちょっとした味付け程度であれば配信でも出すことが出来るし、プライベートで食べたとしても発光して睡眠が妨げられなくなるのはいいことだ。
さ、いい具合に温まってきたし、配信始めましょうかね。
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「ハァイ、皆の衆。ジョージの酒飲みチャンネルのお時間だ」
「ハァイ!」
「ぴぁ!」
『いつもの挨拶は落ち着くなぁ!』
『初っ端からロゼちゃんいる!』
『おっ、今日は最初から料理あるパターンか』
『でっかい鍋とジャーマンポテト?とアルミホイルの丸い物体?』
そんないつもの調子で始まった酒飲み配信。視聴者の反応は開幕から配信に参加しているロゼから始まり、机の上に事前に並べられた料理にいく。とはいえ、明らかになっているのはジャーマンポテトくらいで、鍋の方は蓋を締めているしアルミホイルの方も包まれたままでまだ中身を見せていない。
『もしかしてジャーマンポテトに入っているベーコンとソーセージって前回言ってたワイルドオーク?』
「おっご明察。自家製ベーコンとソーセージ。いいでしょ」
『なんか2種類ない?色濃いのと白っぽいのがある気が』
『ホントだ、味付け変えてるとか?』
今見えているジャーマンポテトにはじゃがいもの他にベーコンとソーセージを使用しており、視聴者の言うようにどちらにも赤みが強いものと少し白味がかったものが存在している。これは別に調味料を使い分けてこのような色になっているというわけではない。
「や、違う違う。この赤っぽいのがワイルドオーク。こっちの白っぽいのがワイルドオークジェネラルね。いやー、見分けやすい見た目で助かったよね」
『ワイルドオークジェネラル!?』
『待って聞いてない』
「言ってないからね」
『なんで?』
「レギオン・ハルニクスとかペンギオスの皇帝級とか話してたし、ジェネラル今更かなって……」
『それは……そうか?』
『映像にも出てなかったのは?撮れてなかったとか?』
「まぁ秘密の情報が含まれていたので。傷一つ負うようなことはなかったから安心してな」
嘘である。あのワイルドオークジェネラルと戦ったときはヤドリギ先生は一切使っていなかったので、公開しようと思えば公開できる内容だったのだ。
では何故しなかったのか――答えは唯一つ。ジェネラルの首を落とした後に油断しまくって襲われた一部始終を見られたくなかったからである。仕方ないね。
「HAHAHA、それじゃこの鍋の中身も公開していこうじゃないか!」
『なんか誤魔化してない?』
『なんか怪しい』
「怪しくない怪しくない。それじゃ――」
「オープン!」
「ぴぁー!」
鍋の蓋を開けると、中に閉じ込められていた湯気が解き放たれもうもうと立ち上る。その湯気により一瞬映像は驚きの白さに包まれることになったが、やがてそれは晴れ鍋の中身が明らかになる。
鍋の中にあったのはまず黄金色のスープだ。そのスープの中には前述のベーコンやソーセージのみならず、程よいサイズに切り分けられたじゃがいもや人参、ブロッコリーや玉ねぎなどが沈んでいる。
「はい、こちらは北海道産の野菜をふんだんに使用しましたポトフとなります!」




