表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSエルフさんの酒飲み配信~たくさん飲むからってドワーフじゃないからな!?~  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

338/349

ドキッ!亜人だらけの飲み会(妖精もいるよ)

「それでは我々の出会いに――」

「「「「乾杯(カンパイ)!」」」」


 そんなエンケスさんの乾杯の音頭から「ドキッ!亜人だらけの飲み会(妖精もいるよ)」が始まった。全員最初にチョイスしたのは生ビール。並々と注がれたビールを俺たちはひたすらに飲み下し、ほぼ同タイミングで側面に引っ付いた泡以外、空となったジョッキをテーブルに勢いよく置いた。


「全員、ビールでいいですよね?」

「「「ハーイ」」」


 全員を代表して須藤さんが個室に備え付けられたタッチパネルから生ビールを注文してくれる。いやはや、須藤さんもエンケスさんもVTuberとしての配信で酒飲み配信をしていることは知っていたが、やはりイケる口か。


 ちなみにオーロラの分は驚いたことにお店側が配慮して、こちらが用意したオーロラ用の酒飲み容器セットに注いでくれることになった。社長であるエンケスさんが自ら選んだだけあってそういう気の回しやオーロラ(妖精)がいることに対しておくびにも出さずに対応してくれた。ありがてぇ。


「おっと、忘れてた。これ、起動させちゃいますね」


 思い出したかのように掌に握りこぶしを当てる動作をするエンケスさん。彼が取り出したのは一つの小さな箱――聞けばその箱は設定した範囲の会話を外に漏らさないようにするアイテムだという。まぁ、俺たちだもんな、そういう対策はした方がいいよな。

 エンケスさんがそれを起動させると何かが体を通り抜けた感覚がしたが、声を遮断する結界が通り抜けた感覚らしい。


 さて、お代わりのビールが来たところで、まずはそのお代わり分を――あれみんな飲み干しちゃった?


「ビール、いっそのこと大ジョッキでお代わりとは別にピッチャーで持ってきてもらいましょうか」

「そうしよう」


 はい、お代わりのビールとビールが詰まったピッチャーが届いたところで改めて飲み会の始まりだ。テーブルの上には酒類を除くとチョレギサラダ、フライドポテト、ほっけの開き、やみつきピーマン、唐揚げ、刺身盛り合わせ、にんにくのホイル焼きといった居酒屋の定番メニュー勢ぞろいだ。


 しかし、その味は洗練されておりフライドポテト1つでも、ファストフード店とはまた違った風味と香ばしさで酒飲みを助長させてくる。

 ってかまずは何から話したものか……エンケスさんの種族についてか?そう話を切り出そうとしたところ――


「木原さん、私――いや、俺はあなたとは演者の演血影雅や社長のエンケス・シェイドグレイスとしてではなく、一個人のエンケスとしてあなたと対等に友誼を結びたい。よろしいだろうか?」


 ……Oh、俺と対面するように座っているエンケスさんから真面目なトーンでそんな言葉を投げかけられた。酒の力で言っているのかもしれないが、よく面と向かって言えるなすごいな、この人。

 ふむ。まぁ個人的に生で会ったことで特に悪い印象があるわけでもない。それに亜人の伝手はあった方がいいだろうな。


「分かった。俺からもよろしく頼むよ。えーっと、エンケスって呼んだ方がいい?」

「――!おぉ、是非ともそう呼んでくれ!俺も譲二と呼ばせていただく!」

「フフ、良かったですね座長。直前まで友達になれるか緊張してたみたいじゃないですか」

「はぃい!?ちょ、須藤さんどこからそれを!」

「秘書さんから」

「あいつ……っ!」


 ……あれ?あの嬉しそうな表情や須藤さんからもたらされた情報からもしかしてエンケスって本当に俺がハイエルフとか関係なしで友達になろうって言ってたの?……なんか伝手とか考えて打算的に友達になろうとした俺がちょっと恥ずかしく思えてきた。

 そんな俺の心情を察してか、オーロラが飛んできては肩をポンと一回叩いてはやみつきピーマンの元へ戻っていった。


「では改めて譲二。話し方も崩させてもらうが――気になるのは俺の種族だろう?何だと思う?」

「吸血鬼」

「……正解だ」


 なんでちょっと溜めたんだ。いや、そんな悔しそうにされても結構情報与えていただろ。冷たい手に口を開けた拍子に覗いた牙。配信時間が大体深夜……いや、確定できる情報ではないかもしれないが、当たったのならいいだろう。


「そう、私は吸血鬼と呼ばれる種族だ。ただハイエルフの譲二、ドラゴニアの須藤さん。君たちと違って私は"マジカルマッシュルーム"を食べて変異した人間ではない。元々君たちの言う"亜人"と呼ばれる存在としてこの世に生を受けたのだ!」

「へぇー」

「ふぅん」

「ソーナンダ」

「須藤さん反応薄いね」

「座長がそうなのはドラゴニュートになった時に明かされてますから。木原さんこそ落ち着いてますね」

「俺はほら、なんかそんな予想してたから。元々エルフはいた説も流行してるし」


 嘘である。実際はそういう存在(ハーフエルフ、魔女)に会ったことがあるから受け入れられているだけである。

 あ、ところでちょっと決めポーズしているエンケスさん、そろそろ落ち着いて座ってもらっていいですよ。……ってか今更ながら料理の中ににんにくあるけどいいんか。


「にんにく?あぁ、私からしたら普通に好物だ。吸血鬼の中には重度のにんにくアレルギーの一族がいてな。それが伝承になったんだろう。なんなら"アブラマシマシニンニクカラメヤサイマシマシ"も余裕だ」

「余裕なのか……あ、じゃあ心臓に杭打ったら死ぬのは?」

「誰だって死ぬだろ」


 それはそう。

それはそう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まぁ「心臓に杭を打たれて生きていたら吸血鬼」って方がしっくりくる。
アブラマシマシは人間も年齢というか胃の状態によっては死ぬんだよなぁ…
心臓に白木の杭を打って死んだら吸血鬼!って懐かしいネタやなw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ