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TSエルフさんの酒飲み配信~たくさん飲むからってドワーフじゃないからな!?~  作者:


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企業努力には頭が下がる思いです

「人参、じゃが芋、たまーねぎ。愛情ポイポイもう大変」

「ナニその歌?」

「とあるカレー大好きなカエルの歌だよ」


 時刻はお昼時――昼飯のそうめんを食べ終わった俺は今、配信で食べる用のカレーの仕込みを始めている。カレーと言っても、何もスパイスから作るわけではない。調合だのそんな知識は俺には無いからね。当然の如く誰が使っても美味しくなるカレールーを使いますとも。


 ちなみに使用するルーは「ZEPPIN」の辛口。先の質問コーナーでオーロラは自分は甘党だと称したが、だからと言って辛い物が食べられないわけではない。なんてことない顔で暴君ハバネロボリボリ食べてるからね?暴君ハバネロイケるなら市販のカレールーの辛口くらい大丈夫でしょう。


「何か手伝うコトある?」

「んー、そうだな……あぁそうだ。カレーの副菜にサラダを作ろうと思ってたんだわ。庭からプチトマトと大葉とマンドラゴラとパクチー採ってきてもらえる?」

「ハーイ!」


 当たり前のようにマンドラゴラを口にするの大分毒されてきたよなぁ。冒険者組合が大枚をはたいてでも欲しがる貴重なもののはずなのにな。サラダに使おうとしちゃっているよ。

 よし、牛肉――もといミノタウロス肉に火が通ってきたし……えーっと、水を入れて沸騰させて灰汁を取ればいいんだね、了解。カレーライスってのはね、ルーの箱に書いてある事をそのままやってりゃ美味しくなるんだよ。企業のレシピに従え。


 沸騰して灰汁が出てきたので、丁寧にそれを取り除いていると、竹ざるに頼んでいた野菜をたっぷり載せてきたオーロラがやって来た。収穫したものはどれも色つやがよく美味しそうだ。マンドラゴラは……うん、いつも通りの顔だ。


「トッテ来た!」

「ありがとう。んじゃ、その野菜たちを洗ってくれるか?あ、あと追加で冷蔵庫のレタスも」

「マカサレヨ!」


 サラダはマンドラゴラを除いたら、洗って添えるだけだからオーロラだけでも大丈夫だろう。あちらはオーロラに任せて俺はカレーに専念しておこう。横から「ピィギェアーっ!」って奇妙な悲鳴が聞こえるが気にしないでおこう。どうせマンドラゴラだ。



「よーし、出来た出来た」

「いいニオイ!」


 額に滲む汗を乱暴に拭って刺激的で魅力的な香りを放つカレーを前に、俺は満足感に浸っていた。これだよこれ、牛肉に野菜がゴロゴロ入った家カレー。これが食べたかったんだよ。味見はしたが、ルーだけをチビっと飲んだだけ。ライスと一緒には食べていないので、今から配信が楽しみだ。


 それじゃあ配信までまだ時間はあるしゆっくりしようかな。そう思ったところで……玄関のチャイムが鳴る音が聞こえた。……誰だ?今日はAmazonの荷物が届く日では無いし、宅配企業のアプリを確認してもそのどれもが今日配送予定の荷物は無い様になっていたはずだけど?

 武道さんならまだ仕事のはずだし、彼なら事前に連絡を入れてからくるはずだ。じゃあ誰が?訝しみながら玄関に向かう。玄関の窓には人型のシルエットが……女性?


「譲二さん、私!翠です!」

「あぁ、なんだ翠ちゃんか」


 扉の奥からの聞きなれた声に安堵して少しだけ扉を開けて外を確認する。……よし、翠ちゃんだけだな。そんな確認していたら、ほぼ眼前にいた翠ちゃんに変な目で見られていた。


「譲二さん何してるの……?」

「いやほら、もしかして翠ちゃんの後ろから誰か覗いてるかもしれないからね?警戒のためにね?」

「大変だね、本当に」

「こんな体になっちゃったからね。で、今日はどうしたの?」

「これ、お婆ちゃんから譲二さんにって。らっきょうだって」


 そう言って翠ちゃんが差し出してきたのは透明のタッパーその中には確かにらっきょう漬けが入っていた。カレー作っているこのタイミングで?


「翠ちゃん、今日配信なの知ってる?」

「知ってる」

「カレーなの知ってる?」

「知ってる」

「花子さん俺の配信見てるの?」

「見てない……と思うけど」

「そ、そうかぁ……」


 あまりのタイミングの良さに疑いたくなる気持ちはあるけれど、ここは素直に受け取っておこう。実際福神漬けも無かったからどうしようかと思っていたんだよね。味の方も花子さんの味付けなら問題ないだろう。

 そうだな、これはお礼をせねば……よし。


「翠ちゃん、ちょっと上がってって」

「え?いいの?」

「お礼の物も渡したいし、カレーの味見もしてもらえない?」

「いいの!?」

「お、おう」


 凄い食いついてきた。翠ちゃん、そんなにカレーが好きだったのか。まぁカレーが嫌いな人なんてそうそういないよな。

 結果として、俺が作ったカレーは翠ちゃんから高評価を得ることが出来た。「強いて言うなら私にはちょっと辛いかも」と言われたが、辛口だしそこはしょうがない。お土産にマンドラゴラの漬物を別のダンジョンから獲れた野菜で作った漬物だと言って沢山持たせておいた。是非とも皆さんに味わってほしい――ということで。

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― 新着の感想 ―
[一言] みんな健康になっちゃう!
[一言] クークックックッって笑いながら作るのかな? ぐるぐる丸メガネ掛けてね。
[一言] 扱いが雑ぅ!>どうせマンドラゴラ
感想一覧
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