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「それにしても、毎回マジで綺麗に治るもんだよなぁ」
「へんー。いはいよー」
二週間後の朝礼前。春介は蓮に左の頬を、だいぶ乱暴にぐにぐにされていた。おそらく、「蓮ー。痛いよー」と言いたいのだろう。
二人のまわりには、女を中心に同じ隊の仲間が集まっている。中には、再生したばかりの春介の左手や腕に触れている者もいた。
「春介、されるがままだね」
千絃は呆れを含んだ、ほのぼのした顔で言う。
「まぁ、だいぶ派手な火傷だったからなぁ。皆には、かなり心配かけちゃった」
春介は任務により左半身を焼かれ、片腕も肘から先が焼き落ちた。回復妖術も用いていた上に、死徒からすればそこそこ程度の怪我とはいえ、左半身がケロイド状というかなりグロテスクな火傷だった。
心配しないわけはないだろう。
「本当だよ!」
「さすがに花耶の負傷率は異常だけど、春介も結構怪我するんだし」
「この間のはいくらなんでも痛々しすぎ!」
女隊士達が口々に言う。
「いやぁ、でもお前も腕火傷してたじゃんか」
「いや、しょうがないでしょ! 穢憑きよりも先に生きてる魂取りたかったんだから! あんただって炎にダイブしてお腹火傷してたじゃない!」
「しょうがねーだろ! あの魂、魂の緒が切れかかってたんだから! 消し炭にならなかっただけマシ!」
「それは毛衣があったからでしょ!」
男女が口論を始めてしまった。
「……先輩達、花耶と春介の事を何も言えないくらい無茶してますからね?」
「「…………」」
千絃の指摘に、先輩男女はしょんぼりと項垂れた。
わきゃわきゃ談笑していると、扉が開いた。隊士達は一斉に自分の位置に戻る。
(あれ? あの子)
今日は雪音と朧の他に、もう一人少年が前に立った。春介他、一部の隊士は彼を見た事があった。
「おはようございます。本日は、連絡事項の前に、新しい仲間が入隊する事になりましたので紹介します」
雪音に促され、赤毛の鬼の少年は自己紹介する。
「おはようございます! 煤竹灼です! 二週間前はすみませんでした! 今日から、よろしくお願いします‼」
灼は、頭を下げた。
プロットの作成の為、来週は投稿をお休みします。
三章1話は10月3日に投稿したいと思っております。




