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魔法と建国と吸血鬼  作者: タニシ
7/8

鶴の恩返し5

遅くなってごめん!

目を開くと、見知らぬ天井だった。

………………なんで?

確か僕はお嬢様のわがままに付き合わされてハクさんを探してる途中だったはずだ。

でも起きたら見知らぬ部屋の見知らぬベッドで寝ている。

…………ははーさては夢だな。よしもう一度寝よう。

見れば窓の外は暗い。夜は寝なくちゃいけないよな、たとえ夢でも!

そう思い、眠りに就いた。



目を開くと、さっき見た天井だった。どうやら夢ではなかったようだ。

…………だめだ、何がどうなっているか分からん。とりあえず起きよう。

体を起こしベッドに腰掛け部屋を見渡す。どことなく前に住んでた屋敷に似ている気がする。

――――と、部屋の扉が勢いよく開かれ、お嬢様がそれ以上の勢いで入ってきた。


「ルイス!!」


「……はい、ルイスですが……ってうわぁ!!」


「ルイス!! ルイスルイスルイスルイスルイス!!!」


突然僕の名前を連呼しながら抱き着いてくる。


「なんすかいきなり! 頭でも打ったんですか! とりあえず離れてください!!」


「生きてる!? 生きてるよね!」


まったく離れる気配はなく、頬ずりまでしてくる。なんだこの人ネコか、ネコだな可愛いかよ。しかもなんかいい匂いが……しないな。というか血なまぐさいな。


「お嬢様、くっつくのはいいのですがその臭い落としてからにしてください」


「…………絶対落としてからじゃないとだめ?」


「そんな上目遣いで見てもだめです。早くお風呂入って来てください」


「……ルイスが一緒に入ってくれるなら入る」


なんなんだこの人は、可愛いな。結局お嬢様に連れられ一緒にお風呂に入った。なお吸血鬼には生殖機能がないため人間とは体の構造が違った。



お風呂から上がると部屋には知っているような人が二人いた。


「そちらが愛しのルイスね」


お嬢さまとは正反対の女性がそんなことを言った。


「そういうあなたはハクさんですか?」


「あら? 私の可愛い弟子を助けたときに会ったのに忘れちゃったんですか?」


「…………そういえば……というかなんで僕こんなお屋敷にいるんですか? 記憶とかが曖昧で結構混乱してるんですけど。しかもお嬢様ってこんな甘えん坊でしたっけ?」


「…………あなたのせいでしょ」


「まぁ、そのこともだけど、とりあえずご飯にしましょ! 私お腹すいちゃった」


窓の外は朝だった。怒涛の展開に頭がどうにかなりそうだったが、ご飯を食べることにした。人間、腹が減っては何もできないと言う事だ。


「では、私が作らさせていただきます!」


今まで話に入ってこなかった少女が名乗りを上げた。


「申し遅れました、私はお師匠様の雑用、もとい身の回りのお世話をさせていただいてる弟子のオルニーテスと申します。以後よろしくお願いします!」


「ルイスさん、いえルイス様。私の弟子を助けていただいてありがとうございます」


その場に跪き深々と頭を下げる弟子とその師匠。


「やめてください、僕は何もしてませんから」


「ルイス様が居なければ私は間に合わずテスは殺され私もこき使われその後殺されていたでしょう。本当にありがとうございました」


「こういうやつだから、諦めなさい」


どうしていいのか分からず戸惑っていると、お嬢様が助け舟を出してくれた。いや、助け舟になってない気もするが。


「…………僕のことは気にしなくていいので早くご飯にしましょう! 僕お腹ペコペコです」


「では、私は朝食を作って参ります」


そう言って廊下に出ると、勝手知ったる足取りでキッチンがあるであろう場所へ消えていった。


「ところでクックは?」


「わたくしならここに」


どこからともなくコウモリが現れた。


「私とルイスが分かれた後から、今まで何があったのかの説明を」


「招致いたしました。わたくしが別件でここから相当離れた場所で仕事をしている時でした。あの町ではわたくしたちは歓迎されていなかったので、一応お嬢様とルイス殿に監視の目を付けていましたがそれが反応しました。ルイス殿とハク様がオルニーテス殿を助けに入りました。しかし敵に敵わずわたくしが着いた時にはルイス殿が相手の攻撃で重傷、ハク様とオルニーテス殿は誘拐されました。助けが間に合わず申し訳ございません」


「クックのせいじゃないわ。私がしっかりしてなかったのがいけないの」


「それを言うなら僕が一番わるいけどなぁ。……そのあとどうなったの?」


「ヴィ様に連絡した後わたくしたちが建てた屋敷まで運びヴィ様が治療を施しました」


「ありがとうございます。それでハクさんとオルニーテスさんは誰が助けたの」


「もちろん私よ! 次いでにルイスを傷つけたやつも殺したわ」


「ご飯が出来ました!」


話の最中にオルニーテス呼びに来る。あと少し遅かったらまたお嬢様を怒らせるところだった。




「……ところであなたたちはなんであんな遠くの町にいたの?」


「あなたのせいで私の服が破けたから直してもらうためにあなたを探してたの!」


「心外ね、私はなにもしてないわ。……本当はすぐに直してあげたいのだけど生憎素材がなくて……」


「なら取りに行けばいいわ。どこにあるの?」


「……温泉街のあるベイル山よ!」

次回から温泉街で色々する予定です

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