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にじゅうに


8/21

後書きに閑話を追加しました。

シリルとユリアの会話です。

 



 ということで連れてこられました、厨房です。今は使ってもいい材料を料理人の方に聞いています。ん〜、あまり迷惑をかけずに作るならお手軽わらび餅かな。


 ちなみに、百合とシリル様は最初の部屋で待機している。料理人からしたら雇い主の子供がいるのはやりづらいだろうしね。まぁ私がいても気まずいだろうけど、そこは早く完成させるので許してもらおう。




 よし、完成したので持っていきましょう!百合とシリル様がいない代わりに1人の侍女さんが近くで待っていてくれたので、その人に2人の元へと案内してもらった。部屋へと入り、百合が侍女さんへと確認する。


「今あなたが運んでいるものはハンナが作ったものよね?」

「はい、他の方は誰も手伝っておりません」


 これを食べて、美味しいと思っていただけたら他のお菓子も私が作ったと認めてくれるかな?


「それで、ハンナは何を作ったのかしら」


 百合に聞かれたので返事をする。


「きな粉があったのでわらび餅を作らせていただきました。」


 そう言いながら百合とシリル様の元へとわらび餅を運んでもらう。先に手をつけたのは意外にもシリル様だった。てっきり百合の方が早くいくと思ったのにな。


「美味しい……」


 1口食べたシリル様が、ボソリと呟いた。思わず溢れ出たような言い方だったので、本当に美味しいと思ってくれたのだと思う。シリル様の言葉に私が安心している間に、百合も1口食べていたみたいで、美味しいと言ってくれた。


 それから3人で談笑し、1時間たった頃に私は帰宅した。





閑話

ハンナがわらび餅を作っている間のユリアとシリルの会話


─────


3人がけのソファに並んで座る2人。対面には先程までハンナが座っていた。おもむろに、シリルが口を開く。


「ユーリ、ハンナ嬢に婚約者はいるのかい?」


ユリアは乙女ゲームや今までのハンナとの会話を想起し返事をする。


「いないと思われますわ」


ハンナからそのような話は聞いた事がないことと、乙女ゲームのヒロインに婚約者がいることはないだろうとの判断だ。今度はユリアが質問する。


「そのような事を聞く、ということはお兄様はハンナの事を気に入ったのですか?」


シリルはその問いに間髪入れずに返事をする。


「そうだよ。最初に挨拶をした時に噛んで照れて顔を赤くしていたのが可愛くてね。その上お菓子も美味しかった。なんでもっと早く声を掛けなかったんだろうかと後悔してるよ」


シリルがハンナを好いていると知り、ユリアは安堵する。


「さて、どうやって囲い込もうかな…

あ、そうだ。ユーリ、ハンナ嬢が今から作ってくれるもの、先に手をつけてもいいかな?」


最初に小さく呟いた言葉を聞かなかったことにしたユリアは、いいかな? ではなく、いいよね? という圧を感じ、了承を伝えた。

そして、会話が途切れ暫くしてからわらび餅を完成させたハンナがやってきた。



※※※※


次話は2週間後の8/23に投稿予定です

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