じゅうなな
今の私には、百合よりも大事なことがある。そう、それは狙っているシリル様とまだ1度も話していないこと!
一応クラスは一緒なのだけれど、一言も会話をしていない。妹の百合とは仲良くなったのだけれどね。あれ、そういえばなんでシリル様は同じクラスなんだろう?百合や私より一つ年上のはずなのに。乙女ゲームでも同じ学年にいた気がする。頑張れ自分!設定を思い出すんだ!
…あ、そうだ。確か魔法についてしっかり理解しておきたいからもう1年基礎をやっているんだ。
バルツァー学校は、13歳で入学し、15歳で卒業する。最初の1年は基礎を学び、あとの1年で実技を学ぶ。出来が悪かったり、もっと学びたいという意欲があればさらにプラスで1,2年学ぶことができる。
前者は教員が卒業しても良いと思ったら、後者は座学も実技も終わっていれば自由なタイミングで卒業できる。
あぁ、そうだそうだ。だからシリル様は私と出会う機会があるんだ。スッキリした。
王子サマに好かれなければBADエンドに入れるだろうから、わざわざシリル様にアピールする必要はないのだけれど、さすがに1度も会話をしないのは宜しくないよね。もしかしたら会話をしなかったせいで全然違うルートに入っちゃうかもしれないし。王子サマは百合のことが好きで私が入る隙はないからこのまま普通にしていればBADエンドには入れると思う。だから、シリル様と少しくらい会話をするべきなのだろうけど、どうやって話しかけようかな?
って考えていたらいつの間にか一日が終わっていた。はい、ちゃんと復習しておきます。
夕食後、百合から手紙とお弁当箱が届いた。手紙の内容は、みたらしについてのお礼。あと、百合の家、公爵家に招待したい、と書かれていた。日時は明後日の13時頃。ちなみに、1日は前世と同じ24時間だよ。
うーん、13時頃ってことは一緒にティータイムかな?それなら何か作って行こっかな。話す内容は多分乙女ゲームについてとかだろうしね。
さて、何を作ろうかな?
次回は6/27に更新予定です。




