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じゅうご

 


 その日の夜、百合から手紙が届いた。庇ってくれてありがとうとか、返事は不要の旨とか、色々と当たり障りのないことが書かれたあと、日本語で追加の説明が書かれていた。


 要約すると、明後日百合の誕生パーティーがあるが誰に誘われても断れ、というものだった。百合の誕生日は明日だけれど、平日なので一日遅れでパーティーをひらくのだそうだ。悪役令嬢のパーティーに誘われるイベントは、本当は1年後のはずだけど、途中で編入してきたのでどうなるか分からない、とも書かれていた。そりゃそうだ。


 うーん、誘われるのかな?とりあえず断ればいいのね。私はNOと言える日本人だ。


 翌日、学校に行くとちょうど百合と王子サマに出会った。もしかしてこの2人って一緒に登校しているの?とまぁ少し疑問に思いつつ礼をしようとすると、王子サマからストップがかかった。学校ではわじわざ礼をする必要はないらしい。知らなかった。とりあえず私は礼をせず挨拶だけをし、百合に話しかけた。


 「ユーリ様、お誕生日おめでとうございます」

 「ありがとう」


 私が百合に対して祝いを告げた後、衝撃の言葉が王子サマの口から飛び出した。


 「フォスタ嬢も明日のユーリの誕生パーティーに来るかい?」


 基本的に、男性からのパーティーの誘いはエスコートをしたい、という意味になるのだけれど、知ってるよね?

 ちょ、百合がめっちゃ悲しそうな顔してるんだけど?!と、とりあえず断ろう。え、王族の誘いって断ってもいいの?ま、まぁいっか。それより百合だ。


 「お誘い頂きありがとうございます。ですが今回は遠慮させていただきます。」

 「そうか」


 いや、なんでそんな残念そうな顔をしてるの?あなたには百合がいるでしょ!まさか、これがゲームの強制力?とか思ったけど、どうやら違ったみたい。


 「フォスタ嬢が来てくれたらユーリも喜ぶかと思ったのだがな。」


 百合のためでしたか。そうですか。自惚れてしまいすみませんでした。百合も今の王子サマの言葉を聞き、笑顔になった。ちなみに、私がOKしていた場合、エスコートはどうするつもりだったのでしょうかね。まぁそんなことわざわざ聞かないけど。


 その後百合達と別れ、教室へと向かう。行き先は一緒なんだろうけど、あの場にはいたくない。砂糖吐きそうになるから。空気が甘ったるいんだよ。あの二人の間に入り込もうとか思わないし思えない。だってどう見たってあの二人両思いだし。

 私は王子サマの好感度を上げてはいけないのだけど、楽勝だね!


 そして、その日は何事もなく終わった。



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