じゅうよん
「それで?ユーリはどっちが大事なの?私か、フォスタ嬢か。」
仕事と私、どっちが大事?って聞いてくる女みたいなこと言ってるな、この王子。とりあえず、あたふたしている百合に目で王子と答えろ、と伝える。
「ヨ、ヨハネス様ですわ」
消え入りそうな声で百合が答えた瞬間、王子サマが私に対してドヤ顔をしてきた。百合には見えない位置なので後で伝えておこうと思う。
百合はずっと、王子サマが私に会うことで心を奪われないかと心配していたのだ。私が王子サマを狙うつもりがないと知ってからもそれを心配していた。だから、王子サマの独占欲の強さをちゃんと教えてあげようと思う。
王子サマは悪役令嬢に夢中だよ。
ってね。
「それでは私たちは退室させてもらうよ。」
王子サマの言葉に返事をしてから一言伝えておいた。
「私、王太子殿下からユーリ様を奪うつもりはございませんのでご安心ください。」
ってね。そしたら、王子サマにっこにこになって
「そうか、ではこれからもユーリのことを頼むね?」
と言い、教室から出ていった。全くもってポーカーフェイスできていなかったけど、あの王子サマ貴族社会でやって行けるの?ちなみに百合は終始赤面していた。
ふむ。これはBADエンドに入るの簡単では?




