じゅうさん
「ちなみに、お兄様の監禁ルートに入ろうと思ったのはなんで?」
理由?
「そんなの、1番マシだからに決まってるじゃん」
これまた本音を伝えると、百合は賛同してくれた。
ふと時間を見ると、百合と話し始めてから3時間も経っていて、今日はもう解散しよう、という流れになった時教室の扉が開き、人が入ってきた。
「こんな所にいたのかい、ユーリ。ん?そちらのご令嬢は?」
百合の知り合い?
「ヨハネス様、こちらは私の友人のハンナさんです。」
ヨハネスってどこかできいた…あ、王太子だ。
私は慌ててカーテシーをする。
「お、お初にお目にかかります。ハンナ・フォスタと申します。」
私が挨拶すると王子サマが話しかけてきた。
「ハンナ・フォスタ嬢?もしかして、今日編入してきた子かな?」
「は、はい!」
どうやら、王子サマも私の名前を知っていたらしい。
「そうか、ユーリと仲良くしてくれてありがとう。でもユーリは私のものだからあげないよ?」
「ヨ、ヨハネス様…//」
いきなりの私のもの宣言に百合が赤面してる。あれ、もしかして私王子サマに嫉妬された?
「ユーリも、授業が終わったら私と一緒にお茶する予定だったのに。私よりも新しい友人をとるんだ?」
…いや、百合よ。そっち優先しなさいよ。なに王子サマとの約束すっぽかしてるの。あーでも、王子サマがお休みの日は百合を迎えに来るって聞いてたし。まぁここは助けてあげるか。色々教えてもらったしね。
「申し訳ございません、王太子殿下。私がどうしてもユーリ様とお話がしたくて無理やり連れてきてしまったのです。」
これでどうだ!王子サマの目には私が王子サマから百合を奪う悪役に見えることだろう。
「ふーん、随分と仲が良くなったみたいだね?愛称で呼ぶことまで許されて」
王子サマはそこで言葉を切って、ツカツカとこちらに歩いてくる。今まで、私と百合は対面で座っていて、王子サマが現れた時に立ち上がって扉の近くに立つ王子サマの方を向いていたのだけれど、王子サマはこちらに来ると百合の後ろに立ち、そのままバックハグをして、百合に聞いた。
「それで?ユーリはどっちが大事なの?私か、フォスタ嬢か。」




