宿屋の中で
とりあえず日も暮れはじめて来たので宿屋へ。
帝国府で身分証明書を手にした俺は三人と一緒に宿屋に泊まる事にした、何から何までありがたいです。
宿屋の受け付けで手続きをすませたハインツさんが俺達三人のところに戻ってきた。
「お部屋を二つとりました、一部屋は私と娘で、もう一つはアドラーとジン様です、よろしいでしょうか?。」
お金を出してもらってるんだから贅沢は言えないわな。
「大丈夫です、アドラーさんが迷惑でなければ大丈夫です。」
「私の方も大丈夫ですよ。」と、アドラーさんが言う。
「では、各自お部屋に手荷物を置いたらお食事にまいりましょう、私が美味しいお店を紹介しますわ。」
ライザさんがお店を紹介してくれるみたいだ、期待しておこう。
俺とアドラーさんは部屋の中に入る、中はベッドが二つだけのシンプルなものだ。
俺の世界のビジネスホテルにあって当然のユニットバスは無い、トイレは廊下の奥の共同トイレでシャワー室が一階の奥にあるらしい。
「こちらの宿屋で良かったですよ、帝都内の宿屋でシャワー室があるのはここを含めて数件ですからね。」
こちらの世界では風呂と言う「人がお湯に入る」習慣が無い、なんでも衛生上の観点かららしい。
普段は桶に入れたお湯に布を入れて身体を拭くだけで、シャワーは設備投資費の都合で一部にしかないらしい。
ベッド上に手荷物を置いて確認する、財布(スーツの内ポケットに入れていたもんだから先程のバトルで傷がついてしまった)、名刺入れ、スマートフォン(スーツの内ポケットに入れていたもんだから先程のバトルで壊れた)、ビジネスバッグ(中にはタブレット、ソーラーパネル、ペットボトルのお茶)、ベッドの横には折り畳み電動バイクだ。
アドラーさんが珍しそうに見ている
「ジン様の持ち物は・・・なんだか帝都にお住まいの上級国民の持ち物と似た物もありますが、ジン様はこちらの帝都には初めてこられたのですよね?。」
「俺はこちらの帝都には初めて来ました、だからアドラーさんが言う俺の持ち物と似た物ってのが気になりますね!。」
これは、ここ帝都にしばらく滞在して情報処理した方が良さそうだな!、その為にほお金をどうにかしないとな!!。
「あのぉ~、アドラーさん、ここ帝都で手っ取り早くお金を稼げる方法はありませんかね?、俺、しばらく帝都に滞在しようと思っているんですけど。」
「そうですか、これからもご一緒いただけると良かったんですが、ジン様たっての希望とあればしかたがないですね。」
アドラーさんは残念そうにしていた。
「では、食事の後に四人で話し合ってみませんか、何か良い方法があるかもしれませんよ。」
本当にもうありがとうございますとしか言えませんな。
こちらの主人公の方が手荷物が多いのはおいおい物語の中で。




