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君のものは僕のもの  作者: ユメオニ
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その3

僕は、何故かいつも彼女の座る席が気になって仕方なくなった。 今までは気づかなかったカーテンを開け閉めする動作に、必ず気づき、反応してしまうようになった。 ぴくっと身体が震え、顔をほんの少し窓際に向けてしまうようになった。

それは、ちょっとした変化だったけど、彼女もその変化に反応し、そして彼女自身も変化した。

カーテンの引き方が下手くそになったのだ。そのタイミングが少し早すぎたり遅すぎたりするようになり、カーテンを引く時に音が出ることもあった。

彼女がカーテンを引くズズズ、という音を初めて立てた時、僕は授業中だというのにびっくりして彼女の方を見てしまった。

彼女の頬は心なしか赤らみ、目線は机の上の教科書とノートにじっと向けられ、動かなかった。そんな彼女のことを、かわいいと思った。生まれて初めての感情だった。

彼女と隣同士だったけれど、話したことはなかった。僕は必要がない限り誰かと何かを喋ったりしない人間だったし、彼女も本当に親しい友達としか話さない、大人しい女の子だった。

僕はしばらくの間ずっとうずうずした気分を抱えながら毎日を過ごしていた。授業を受けていてもいまいち集中できなかったし、休み時間も落ち着かず、次の時間の準備を忘れることもしばしばあった。

僕はそんな自分に戸惑っていた。何が原因なのか分からなかった。こういうことは初めてだった。

奇妙な出来事が起きたのは、そんなある日のことだった。

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