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君のものは僕のもの  作者: ユメオニ
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その1

僕には変な力がある。初めてその力に気付いたのは、中学2年生の2学期が始まったばかりのことだった。

学期が変わって席替えが行われることになった。中学生にとって席替えは一大イベントだ。仲のいい友だちと隣同士になれば、毎日が遊びの時間。先生の目を盗んでお喋りしたり、いたずらしたり。

でも、僕はクラスに仲のいい奴なんていなかったから、関係なかった。ただ、嫌な奴の隣にならなきゃいい、そんな程度だ。席替えの方法は、くじ引きに決まった。

引いた席は窓際から2列目の前から2番目。前の方の席はさぼっていると先生に見つかりやすいから皆嫌がる所だけど、視力の弱い僕にはむしろ好都合だった。運動は大の苦手だったし、手先も器用な方ではなかったから、勉強を頑張る位しか取り柄がなかった。後ろの方の席だと先生の書く字の大きさによっては目を細めても見えないことがあるけど、前から2番目ならそんなことはない。

隣の席に誰が座っているかということは、しばらくの間意識さえしていなかった。 僕が初めてそれを意識したのは、窓際のカーテンの引かれるタイミングが実に絶妙なことに気付いた時だった。

窓に近い席だと、太陽の光が強すぎて暑かったり眩しかったりするものだけど、この席になってから1度もそんなことを感じたことがなかった。カーテンは、陽の光の強弱に合わせて適切にコントロールされていた。

太陽が最も眩しい時にカーテンが開きっぱなしになっていることはなかったし、逆に雨や曇り空の時にカーテンが閉めっぱなしになっていることもなかった。


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