暑い冬のおまじない 2
〜試合前日の夜〜
俺はYo◯Tubeでプロサッカー選手の動画を見ていた。明日は2年目にして初の練習試合だ。
半年ぶりとは言ったが前回は部員が7名しかいなかったにもかかわらず試合当日にロベルトが事故に遭い人数不足で没収試合になってしまったのだ。
さてと昔話はともかく動画の続きを見るかな。
?!
俺はサッカー選手のプレーも見て思わず射精をした。もしかして俺にもこんなプレーが?!と考えるだけで俺の物干し竿はムクムクと伸び上がり天から地上を見下ろしていた。
そして物干し竿から声が聞こえた。
「てっぺんを見たいか?」
俺は号泣しながら「サッカーがしたいです…国立に行きたいです…!」と言いながら物干しを必死でシゴいていた。
チュンチュン。チュンチュン。
んっ?俺はどうやら気付かぬ間に寝ていたらしい。
重たい瞼に喝を入れ眠気を覚ましながら朝食を食べに向かう。
お母さん「今日試合だったよね?応援に行くから頑張ってね!」
ちっ来るなよババァと言いつつも頬が緩む。
その時「てっぺんを見たいか?」という言葉を思い出した。試合の当日に笑顔を見せるなど俺は何と情けないのだ…と我に帰った。
俺は母さんの作った飯を青汁で無理に流し込み。ありがとうと英語で言うと無言で家を出た。母は俺の英語力に脱帽し失禁していた。
会場に着くと俺以外の全員が集合していた。全員とは言え半年前のメンバーに2人が増えた9人。
増えた2人は何と中学時代にベンチとは言えサッカー部に入っていたらしい。
そう僕たちはサッカー経験者のいない素人サッカー軍団なのだ。ベンチだろうが経験者の存在はでかい。
俺は早くも勝利を確信していた。
そこに敵校の主将の岡本がやって来た。あの日本代表の本田選手と握手をした事のある実力者だ。
岡本「やれやれ。今年はようやく試合が出来そうですね。くれぐれも退屈だけはさせないでくださいよね」パチッ☆
そう言うとウインクをし戻っていった。
中島「ちっ嫌味な野郎だ。俺たちの力見せてやろうぜ!」
こういう中島はサッカーは勿論。スポーツも体育でしかした事がない音ゲーオタクだ。きっと昨日サッカー選手の動画でも見たんだろう。ブツブツとシザースシザースという声が聞こえる。
そして俺たちの試合が始まろうとしていた。