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母 1
私が此処に繋がれてからどれ程の時が過ぎたのだろうか?
分からない。
分からない。
分からない。
其れを理解する必要があるのだろうか?
私が此処に繋がれる事を受け入れた時に分かっていたこと。
私は、あの人の為になるならどんな事でも受け入れると決めた。
そう、髪の毛1本、血の一滴に至るまで、全てをあの人に奉げると決めたのだ。
だから。
どれ程の時間が経ったかなんて些細な事。
永ければ永い程、この身があの人の為に使われた事の喜びがいや増すのだ。
だから。
私は其れを知りたくもある。
どれ程の時間、私はあの人の為に尽くす事が出来たのか。
其れは無上の喜び。
其れは無二の達成感。
ああ、私は此処に繋がれている。
其れは何時からだろうか?
其れは何時までだろうか?
其れは喜び。
そして幸福。
子よ。
私の子らよ。
どうか此処に繋がれた私の代わりに荒野を拓きなさい。
どうか此処に繋がれた私の代わりに大海を渡りなさい。
どうか此処に繋がれた私の代わりに天空を往きなさい。
どうか此処に繋がれた私の代わりにあの人の為に。
そう、あの人の為に全てを奉げなさい。




