ロンバルト 1
今日の俺はツイてるぜ。
なんたってちょっとした世間話をしただけで2日分以上の稼ぎだ。
かかあに渡すなんてもったいねぇ、チョイとばかり良い酒でもヤらせてもらおうかね。
それにしても今日来たヤツら、あいつら得体の知れねぇヤツ等だ。
遠くの隠れ里の出だとか言ってたが、どんな里だっつぅの。
話す言葉は確かに訛りが強いんだが、お貴族様みてぇな話し方しやがる。
自分達の言葉自体を持ってるとか言いながら、誰に話し方を教わればアンなになるんだ?
どうせどっかのお貴族様が、道楽で遊びに来たんじゃねぇのかよ?
まぁ金さえ貰えればそんな事はどうでもいいがな!
同じ冷てぇモンでも、ナイフなんざお断りだからな。
余計な事を話さなければこれからも俺の為に金を運んでくれるかも知んねぇ。
それにしても、たまに出て来るあの会話、魔術言語だと思うんだが、そんなのを会話に使うなんて聞いた事も無ぇぞ?
余程高位の魔術師だって、昔からの詠唱をただ覚えてなぞるだけだってのに。
魔術師達の、あの詠唱に意味があったのか?
楽器を鳴らすのと一緒で、ただの音の羅列だとばかり思ってたが。
いや、これ以上は止めておこう。
知ったから何だってんだ。
アイツ等は金を持ってくる。
俺は吟遊詩人みたいに面白おかしく話す。
貰った金で酒を飲む。
其れで良いじゃねぇか。
俺はもう冒険者じゃねぇ。
しがねぇギルドの職員だ。
つまんねぇ事に頭から突っ込んでもしょうがねぇってもんよ。
2014/01/07 誤字脱字訂正




