4話 生徒 by恋
朝の朝会。
生徒会の活躍の場が来る。
私は、朝礼台に立つ。
「生徒会長、鈴野恋です。新入生の皆さん、そして受験生となった3年生の皆さん。今日から生徒会への希望者を集めます。空いている役職は会計、書記、副会長。計三人です。生徒会へ入りたいという気持ちがあれば、今日の放課後生徒会室に来てください」
一連良い終わり、礼をした。
朝礼台への初のぼりは無事終わった。
「ふぅ…」
朝礼も終わり、教室に戻ると、拓海が私の席に座っていた。
「あの…拓海?」
拓海は私をちらっと見て、呟いた。
「生徒会長らしくなったな」
「…うん」
「でさ」
「ん?」
少し、沈黙が続いて拓海は私の手を握った。
「俺、副会長に立候補していい?」
教室中から喚声が上がる。
「ええええええ!?」「うっそぉ。拓海が入るなら私も…」「拓海だけ抜け駆けかよお!俺だって入るし!!」
次々に色んな言葉が流れてくる。
「で、でも…拓海、ぜんぜん生徒会とかに興味なかったよね?」
「気が変わった。ダメなの?」
私は首を横に振る。
まさか、拓海が入ってくれるなんて…。
まだまだ生徒会が張り付いていないこの学校で、生徒会に入るというのは相当勇気がいることだ。
「ありがとう…」
「でも…」
拓海は立ち上がって、教室中に響き渡る叫び声を上げた。
「ちゃんとやる気があるやつだけ、今日は生徒会室に来い!!!ふざけて来やがったやつは…」
物凄く怖い形相で拓海は睨む。
「どうなるか…わかってるよな…?」
「は…はぃ」
皆が声を合わせて返事をする。
はは…と私は苦笑した。
確かに、やる気の無い人にはできない仕事ばかりだし…。
本当に感謝するしかできないや…。
私は、拓海に微笑みかけた。