優しさと思いやりを振り返る ~お騒がせ母娘は、今年も振り回してきました~
コロン様の『2025振り返り』企画作品です。m(__)m
振り返って思うこと。
「今年もよく、お母さんとけんかしたなあ」
私(47歳)は母(78歳)と仲良く暮らしています。
例えば昨日、自室でコップを倒した時の出来事です。
「わー!! 」
悲鳴を上げた私に、階下の母が心配して「大丈夫? 」と声をかけてくれました。
申し訳なくなり、安心させようと返事をしました。
「ごめん、ごめん。コップ倒しただけ。中身お湯だから大丈夫」
母は答えます。
「良かった~。奇声が聞こえたから、あんたが階段から落ちたのかと思った。中年になると、多いらしいわよ。家の中で転んで骨を折るとか」
私も返事をします。
「もう少し、『言葉を選ぶ』とか、『表現方法を工夫』するとか、『オブラートに包む』とか、最初の一言だけ言って、後半は『胸に秘めておく』とか出来ないのか~!! 」
そして、元気に言い合いが始まる日々です。
母と2人で、ホームセンターに行った時の出来事です。
母がトイレに行きたくなりました。
近くの店員さんに、トイレの場所を聞きます。
「通路をまっすぐに進み、突き当りを左に曲がった角にあります」
しかし、方向音痴の母は突き当りで右に曲がりました。見ていた私は、声をかけました。
「お母さん! 左って、店員さんが言ってたでしょう! 逆だってば! 」
いつもの母なら、言い返してきます。
しかし、よほど切羽詰まっていたのでしょう。母は無言で振り返りトイレに向かいました。
やれやれと安堵したところで、後ろから声をかけられました。
振り返ると、先ほどトイレを案内してくれた店員さんでした。
「……ごめんね。おせっかいかもしれないけど……お母様に、あんまり強く言わないであげて……私も、娘に怒られると胸がぎゅっと痛くなっちゃって……」
母より一回りぐらい年下であろう店員さんを、改めて観察します。華奢で小柄なご婦人です。優し気な顔立ちに、辛そうな表情を浮かべていました。
私の声は大きいです。そして母も店員さんと同じように小柄で、一見大人しそうに見える外見をしています。
店員さんは、言い返さなかった母に自分を重ねたのでしょう。
自分の行動を振り返り、私は反省をしました。そして安心してもらおうと店員さんに伝えました。
「ご心配おかけしてすみません。大丈夫です。うちの母、気が強いんです。娘に言われたくらいじゃ、なんとも感じていません」
「でも……」
まだ心配そうです。
なんと説明しようかと悩んでいると、再び後ろから声がしました。
「どうしたの? 」
振り返ると、トイレから戻った母です。
ちょうど良いタイミングです。
母の質問に、答えます。
「こちらの、店員さんがね。お母さんを案じて『怒らないであげてって』」
母は我が意を得たりと、得意満面の笑みを浮かべました。
「そうでしょう! あんたキツイのよ! 見る人が見れば、私が娘にイジメられてるってことがすぐわかるのよ! 」
滔々と喋る母。
『大丈夫だったでしょう』と目くばせしようと、店員さんの方に振り返りました。
優しい店員さんは、元気な母の様子に安心したのでしょう。満面の笑みでした。
主催のコロン様へ御礼申し上げます。
振り返り、楽しかったです。
追記
こちらのエッセイは、母に内容を確認してもらい投稿の許可を得ています。




