表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エイムの魔法植物学  作者: izumo_3D
ー守護英雄の村編ー
7/46

旅する意味

出発の朝がやってきた。

エイムとシラセは、家の前でシラセの両親に見送られているところだ。


「二人とも、気を付けていってらっしゃいね」

シラセの母が心配そうに言う。


「母さん、大丈夫だよ!そんな遠くないし、俺だって何回か山のふもとまでは行ったことあるしさ!」

シラセは胸を張って答えた。


「私もついていきたいが、村がこの状態で村長の私が離れるわけにもいかない。

 二人にはすまないが、頼むよ。シラセ、男としてしっかりエイムさんを守れよ。」

シラセの父も、少し申し訳なさそうに言った。


「任せてください!絶対に原因を突き止めます!」

エイムは張り切って答える。


そうして、エイムとシラセは、川の源流がある山へと向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


二人は山へ向かっている道中だ。

山につくまでは穏やかな平原が続く。


「山まではどのくらいでつくの?」


「今日の夕方には山のふもとにつくぜ。

 そこで野宿して、朝になったら山に登ろう。山もそんなに高くないから、一日あれば頂上へ行ける。」


「そうなんだ、じゃあ明日には、原因がわかってるかもね!」


「ああ。異変が何か、早く突き止めないとな…

 ………ところでエイムは、何で旅をしてるんだ?」

シラセは少し顔を赤くしながら、エイムに尋ねる。

どうやら女の子と話すのが慣れていない様子で、個人的なことを聞くのが少し恥ずかしいようだ。


「私は、魔法植物図鑑を完成させるために旅をしてるの。」


「魔法植物図鑑?」


「うん!私のお父さんとお母さんが作ってた図鑑で、まだ未完成なんだ。

 だから、私が絶対完成させるの!」


「そうなのか。お父さんとお母さんはどうしたんだ?」


「……うん。…流行り病でもう死んじゃったんだ。」


「え…そうだったのか………

 ……なんか、ごめん……」

シラセはばつが悪そうにつぶやいた。


「ううん、大丈夫だよ!

 もう受け入れてるし、それにお父さんとお母さんは、こんな素敵な宝物を遺してくれた。

 だから私は、お父さんとお母さんの分まで前向きに頑張るの!」

エイムは微笑みながら、決意のこもった表情でさわやかに言う。


「エイム…お前、強いな……」

シラセは心を打たれた様子でつぶやく。


「ありがと。それにね、私は私みたいに、大切な人が死んでしまって悲しむ人が、一人でも減ってほしいって願ってる。

だから、私は魔法植物をもっと研究して、病気なんかの理不尽な不幸から、みんなを少しでも遠ざけたいの!」

エイムの決意の炎は、自身の不幸な体験をほかの人には味わってほしくないという、強い原動力で燃えているようだ。


「……よし、俺も負けてられねえ!やっぱり絶対に守護英雄様のようになるぜ!!

 そんで俺も、危ない奴とか悪い奴らから、人々を守る存在になる!」

シラセも勢いづいて言った。


「すごい夢だね!シラセはなんでそんなに、守護英雄様にあこがれてるの?」


「ああ、実は秘密にしてたけどな…

 俺は守護英雄様と同じ魔法が使えるんだ!!」


「ええ!?それって本当にすごくない!?

 確か守護英雄様の魔法って、マナからいろんなものを作り出せるってものだよね?」


マナとはこの世界の、魔法の根源となるエネルギーだ。

あらゆる生命が、常に微弱なマナを放っていると言われる。

魔法を使える者は、この生命エネルギーともいえるマナを消費して、魔法を放つ。


「ああ、そうだ!正確には、マナの具現化・物質化ができるんだ!」


「すごいじゃん!なんでも作れるの!?」


「守護英雄様は、それはもう何でも作れたさ!

 ある話には、ひとつの街を覆うほどの大盾を作って、魔獣の攻撃を防いだってのもある!すげえだろ?

……でも、俺はそんなことできないけどな…はは…」

シラセは少し寂しそうな表情でつぶやいた。


「どういうこと?」

エイムは、少し気遣う様子で尋ねた。

【※読者の皆様への大切なお願い】


「面白い!」「続きが楽しみ!」「応援したい!」と思ってくださった方は、この作品の『ブックマーク』と、この下にあるポイント評価欄を【☆☆☆☆☆】→【★★★★★】にして、ぜひ『ポイント評価』をお願いします!


今後の作品更新をしていくうえで、大変大きな励みになりますので、是非ともよろしくお願い致します…!


↓広告の下あたりに【☆☆☆☆☆】欄があります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ