エイムの魔法
エイムたち一行は、村の中央にある広場にやってきた。
「ここがいいかも…」
エイムはつぶやく。
「ここで一体何をするんだ?」
シラセは不思議そうに聞いた。
「私の魔法で、この村の調査をするの。村の中央の方がいいなと思って。」
「え!?お前魔法が使えるのか!?」
「お前とは失礼な!私にはちゃんとエイムって名前があるんです!」
エイムは少しムッとして頬を膨らませた。
「ああ、すまんすまん…
この時代に魔法を使えるやつって結構珍しいだろ?びっくりしてさ!」
かつて、この世界には魔法全盛の時代があったという。
人々はみな数多くの魔法を使い、豊かに暮らしていたのだそうだ。
ただ、徐々に人々は魔法の力を失っていき、今では魔法が使える人間は限られるようになった。
「えっへん!私は魔法使えるよ!というか、このピーちゃんだって魔法で動いているの。」
「ピーッ!」
エイムとピーちゃんは得意げに言った。
「確かに、この機械仕掛けの鳥はどうやって動いてるのか気になってたんだ!
魔法だったのか…それで、どうやって村を調べるんだ?」
「ふふ、これを使うの」
エイムはおもむろに、リュックから3体の人形を取り出した。
古びた木製の人形で、小人を模したものらしい。
それぞれ手のひらくらいの大きさで、微妙にデザインが違う。
「え、これをどうするんだ…?」
「いくよ…」
エイムは言うと、三体の人形を両手で握って目をつむり、祈るような仕草をした。
すると、エイムからぽつぽつと小さなオーブのような淡い光が浮かびあがり、人形が光がまとい始めた。
シラセと村長は、その幻想的な光景を、少し驚きながらも黙って見つめている。
そして、光が消えたとき…
突然小人たちが元気よく話し始めた。
「ᛖᛁᛗ᛬ᚲᛁᛊᛁᚠᚢᛚᚢᛊᛁ᛬ᛞᚨ᛬ᚾᚨ!」
シラセは小人たちが何を言っているのか分からなかったが、エイムは「あはは、久しぶり」と会話をしている。
「すげえ…人形が動き出した、会話まで…!」
「驚いた?これが私の魔法なの。人形なんかの、『意思疎通が出来そうなもの』とお友達になる魔法だよ。
この子たちにも協力してもらおうと思って!」
エイムは少し得意そうに言った。
「驚いた。こんな魔法は初めて見る。この人形たちは、エイムさんがうごかしているのかい?」
村長は不思議そうに尋ねる。
「いいえ、この子たちは自分の意志で動いているんです。だから、思い通りに動かしたりはできないけど、みんなそれぞれ考えて動いてくれるんです!
なので、みんなで手分けして調査したいときなんかはすごく役に立ってくれるんですよ!」
「なるほどな!この小人たちにも、村の状況を一緒に調べてもらうのか!」
シラセも合点がいったように言う。
「うん!それじゃあ、みんなで村の状況を手分けして調べましょう!
夕方に、シラセのおうちに集合ね!」
「おう!」
「ᛖᚲ ᛊᚲᛁᛚ!!」
こうして、それぞれ村の様子を調べることとなった。
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