村を襲う病
エイムはシラセの家の中で、村長から状況を聞いていた。
病の症状はまず、腹痛から始まるらしい。
徐々に痛みが腹から全身に広まっていき、最終的には痛みでベッドから起き上がることも困難になるという。
また、痛みのあまり食事もままならず、体力のない者の衰弱が激しいとのことだ。
「村の子供で、特に弱っている者がいる。食事もできないから、持って数日かもしれない。」
村長は神妙な顔で言う。
「わかりました、まずはそこに行ってみましょう!」
エイムたちは、まずはその弱った子供がいる家に行くことにした。
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子どもの家に着くと、両親も憔悴しきった様子で出迎えてくれた。
家に入ると、4,5歳くらいの子供が、呻きながらベッドに横になっていた。
「もう3日は何も食べていないの…このままだともう…助からないかも…」
母親は悲痛な表情を浮かべ、父親は肩を抱き寄せた。
「わかりました。痛みが主な症状なら、もしかしたら効く薬があるかもしれません」
エイムは言うと、ガサゴソとリュックの中から瓶詰の粉末をいくつか取り出した。
「これは?」
シラセが聞く。
「私が採取した魔法植物を乾燥させて、粉にしたものだよ。いくつかを組み合わせると、痛み止めの薬になるの!」
エイムは2,3の瓶を手にとり、粉末の調合を始めた。
そして、出来上がったものを子供にゆっくりと飲ませた。
「これで少し様子を見ましょう。」
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しばらくすると、子供は少し元気を取り戻したようだ。
「ちょっと…痛くない…お腹…空いた…」
弱々しい声でそういうと、両親は急いで消化に良いスープを作って子供に与えた。
子供は少しずつ、食事をとることができた。
「あぁ…ありがとうございます…」
両親は涙ながらにお礼を言った。
「いえいえ。これで、この痛み止めが効くことがわかりました。でも、効果は一時的なんです…
効果が切れると、また痛みは出てくると思います…
だから早く、原因を突き止めないといけません。」
エイムは真剣な顔で言う。
シラセは焦った様子で聞いた。
「じゃあ、どうすればこの病気を治せるんだ!?そういう薬はないのか!?」
「闇雲に薬を作っても、効果は期待できないよ。ちゃんと原因を知る必要があるの。
それに、今回の症状は初めて見るから、たぶん薬はすぐには作れないと思う…」
「じゃあどうすればいいんだ!?このままだとどのみち村は助からない…!」
「だから、原因を調査するのが大事なの。
………そういえば、シラセや村長はどうして平気なのかな…?」
「確かに、俺たちは何も症状がない…どうしてなんだろう。」
「他にも村で、症状が出てない人はいる?」
「ああ、数軒あったはずだ。」
「そこが、原因を探る突破口になるかもしれない…!急いで調べよう!」
こうしてエイムたちは、村を調査することとなった。
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