呻き
「へえ、あんたエイムっていうのか。俺はシラセ、よろしくな!」
「うん。こっちは小鳥のピーちゃん!」
二人はシラセの村に向かっていた。
どうやらシラセの村では、原因不明の疫病が蔓延しており、ほとんど動ける者がいないらしい。
幸いシラセの家を含めいくつかの家は無事で済んでいるが、病にかかったものは痛みで動くこともままならず、どんどん衰弱している様子だ。
「ある時突然流行りだしたんだ…原因も対処方法もわからない。
たまたま旅の医者もいたんだが、そいつもよくわからないって…
もうなりふり構ってられないから、動ける俺が近くで医者を見つけてこようとしてたんだ」
「そうなんだ…症状はどんな感じなの?」
「体全体が痛むらしい。痛みでベッドからも降りられない…
食欲もないから、みんなどんどん痩せていってる。
まだ死者は出てないが、このままいけば時間の問題だ。
だから一刻も早くなんとかしないと…!」
シラセの眼にはうっすらと涙が浮かんでいるように見えた。
「さあ、見えてきたぜ」
シラセの村はのどかな農村のようだった。
きっといつもなら、村民たちが暖かく迎え入れてくれるのだろう。
だが今、村は閑散としており、通りには人気がない。
通り過ぎる家からはたまにうめき声のようなものが聞こえ、事態の深刻さを物語っていた。
「せっかくの客なのに、歓迎してやれなくて悪いな…
まずは俺の家に案内する。なかで親父から状況を詳しく説明させてくれ」
村の中でも特に大きい家の前についた。
「ここだ。うちの親父は村長なんだ。代々村をまとめてる。」
「へえ、そうなんだ。なんか少し緊張するね…」
ギイィとドアが開き、中から中年のたくましい男が出てきた。
「親父!薬を作れるってやつを連れてきた!話をしてやってくれ!」
シラセの父は少し驚いた様子だった。
「シラセ…わかった。お客さん、中に入ってください。」
「はい…」
エイムは緊張した面持ちで、家の中へと入った。
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