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エイムの魔法植物学  作者: izumo_3D
ー守護英雄の村編ー
11/59

ピーちゃんの秘密とフラッシュバインド

エイムたちは、流れる川に沿って、山の道なき道を進んでいた。

山には木々が生い茂り、時々動物たちの気配も感じられる。


岩がごつごつしていたり、植物が生い茂ったりと、険しい道のりのためか、二人とも言葉は少なかった。

ピーちゃんはというと、エイムの少し上をひらひらと飛んで周囲をきょろきょろと見渡している。

危険がないか、警戒している様子だ。


「…なあエイム、ピー助って明らかに金属でできてるよな?

 こんな体で、羽も小さい。これで到底飛べるとは思えないんだが、これもエイムの魔法なのか?」


確かにピーちゃんの体は、深いブロンズ色の金属でできていた。

左右の眼の色は青と黄色で、オッドアイになっている。

フォルムは丸っこく可愛い作りで、羽は体の半分の大きさもない小さなものだ。

物理的に、到底飛べるとは思えない作りだった。


「シラセ、良く気付いたね!

 実は、ピーちゃんの体は特殊な金属でできてるの!そのおかげで飛べるんだよ。」

エイムは少し誇るように答える。


「特殊な金属?」


「うん!色々なエネルギーを吸収して、放出する魔法植物があってね。

 その植物の粉末を混ぜ合わせた金属で、ピーちゃんは作られてるの!

 今、ピーちゃんは『吸収した風の力』を使って空を飛んでるんだよ!」


「ええ、そんなことができるのか!すごいなピー助!

 でも、そんなものどうやって作ったんだ?」


「私のおじいちゃんが、いろんなものを作れる職人でね。

 お父さんお母さんが取ってきた珍しい魔法植物を使って、色々便利なものを作ったりしてたんだ。

 で、私の魔法が発現してから、ぴったりの人形だって言ってピーちゃんを作ってくれたの!」


「そうだったのか…」


「ピーちゃんは色々できて、とても頼りになるんだよ!」


「ピー!」

ピーちゃんは胸を張ったように、高く鳴く。


「はは、それは頼もしいな。よろしくなピー助!」


2人と1匹は、汗をかきながらもさわやかな表情で、山を登っていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


しばらく行ったところで、エイムが声を張り上げた。

「シラセ!そこ、危ない!止まって!」


「え!?お、おう!」

シラセは慌てて歩みを止める。


「どうしたんだ?」


「そこの(つた)、魔法植物だよ…それも危険なもの。」


「ええ!そうなのか!」

シラセは驚いた様子で、すぐ前に群生していた植物を見つめた。

見た感じは一般的な(つた)に見える。


「うん。この植物は『フラッシュ・バインド』(和名:(またた)(から)み)っていう魔法植物なの。

 この植物の種は、空気に触れると一瞬で爆発的に成長して、周囲のものを一気に蔦で絡めとる。

 旅人が蔦を揺らしたせいで(さや)から種が飛び出して、蔦にからめとられて身動きが取れず、そのまま死んでしまう事故が起きてるんだ…」

エイムは少し緊張した様子で話す。


「ええ!そんな危険なものだったのか!じゃあここは避けて通ろう…」


「うん。でも、この種は色々便利なことにも使えるから、ここで少し採取していこうかな!」

そういうとエイムは、コルクの付いた小瓶と水を取り出した。

そして、小瓶に水をなみなみ注いでいく。


「それ、どうするんだ?」

シラセは不思議そうに聞く。


「さっき、()()()()()()()()()って言ったでしょ?

 だから、空気に触れないよう、水に浸して採取すれば大丈夫なの!」

そういってエイムは、フラッシュ・バインドの莢を、水で満たされた小瓶にそっと入れる。

そして、水の中で慎重に、指で莢から種を取り出していった。

種は水中にふわふわ漂っており、エイムは空気が入らないよう慎重にコルクで栓をした。


「よし、採取完了!」


「すげえな!こうやってやるのか!

 でも、どうやってフラッシュバインドだって見分けがついたんだ?

 俺にはさっぱりだったよ。」


「うん、フラッシュバインドは()()()()()()()って言ったでしょ?

 そのせいで、()()()()()()()()()()()になるの。

 普通植物はだんだん成長するから、色合いは少しづつ違ってくる。

 だから、フラッシュバインドの違和感に気づいたの。」


「なるほどなあ!さすが魔法植物の第一人者様だぜ!」

シラセは少し茶化すように言う。


「あはは、まだそんなんじゃないよ。

 でも、普通の植物と比べて違和感のあるものがあれば、それは魔法植物の可能性が高いから、これから気を付けるといいかも!」


「おう、覚えておくよ!」


こうして二人は、さらに上流を目指して進んでいった。

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