ボーイミーツガール
ぐぅう~
大きなおなかの音が鳴った。
「はあ~お腹減った~…
次の町にはハンバーグ屋さんあるかなあ…?」
「ピィー…」
朱色の髪に緑の瞳の少女が、しょげた様子でつぶやいた。
肩には機械仕掛けの小鳥が止まっており、同じような様子で鳴いている。
少女はエイムといった。
とある目的で町から街を転々と旅をしている。
今はまさに次の町への道中のようだ。
どうやら空腹のあまり、道の途中にあった木の木陰で休んでいる様子だ。
そんな時、遠くから少年の声が聞こえてきた。
「おーいそこのあんた!あんた、お医者さんか!?」
少年は息を切らしながら近づいてきた。
そして膝に手をつきながら、エイムをじろじろと見ていった。
「あー…お医者さん…じゃないよな。悪かった!他を当たるよ。」
それもそうだろう。
朱色のショートヘアサイドテールで、14歳ほどの女の子が、医者だと言われてもなかなか信じがたい。
おまけに、肩にはよくわからない機械仕掛けの小鳥も止まっている。
ただ、勝手に期待されて、勝手に失望されたことにエイムは少しムッとして言った。
「確かに私はお医者さんじゃないよ!でも少しお薬とか作れるんですけど!」
少年はそれを聞いて、慌てた様子で答える。
「え!?そうなのか、それはすまん!!
今、俺の村が大変なんだ!薬が作れる人間ならだれでもいい!とにかく村に来てくれないか!?」
少年の慌てようから、先ほどの態度も悪気はなかったことを悟ったエイムは、少年に問いかける。
「大変?いったい何が起きてるの?」
「話は後だ!今は一刻でも早く、医者とか薬作れるやつに来てほしいんだ!
向かいながら話すから、さあ行k」
『ぐぅううう~~』
少年の話を遮るように、特大のお腹の音がエイムから響く。
エイムはお腹を抱えてしゃがみ込んだ。
「…あんた、腹減ってんのか…?」
エイムはゆっくりと顔を上げた。
その表情は恥ずかしさのあまり、頬は真っ赤に染まり、涙目になっていた。
少年は、自分を見上げる大きな瞳から、その新緑を宿したような緑の瞳から、なぜか目が離せなかった。
少年は訳も分からず、ただただ、顔が熱くなるを感じていた。
エイムは消え入りそうな声で言った。
「…あなたの村に、ハンバーグ屋さんはありますか…?」
「…あ…あるy」「行きます!!!」
エイムは途端に目を輝かせ、スクッと立ち上がった。
これがのちに、人知れず世界を救うこととなる、少女と少年の出会いだった。
少年はまだ、顔のほてりを感じていた。
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