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先進者

 それは能力者の総称。

 その存在が確認されたのは今から数十年前――西暦20XX年の事だ。

 離れた場所にある物を宙に浮かす、触れることなく砂を自由自在に操って城を築きあげる、水を一瞬にして凍らせる、等といった特殊な力を持った人間が突如現れた。

 発見当初は「イカサマだ」「トリックだ」と騒ぐ者が多く存在したが、優秀な研究者達の調査の結果、正真正銘の特殊能力だと証明される。

「この能力は人間の第六感が具現化されたものだ。」

と全世界へ向けて発信したのは、とある著名な精神医学の専門家だった。

「この能力は人の心理状況が大きく影響している。人間の強い思い、心に深く印象付いた事柄が能力として具現化したのだ。私はこの能力をインスピレティアと名付けた。このようなインスピレティアを持つ者達の存在は今後増えていくであろう。」

 そして、その著名な精神医学の専門家はこう続けた。

「これは進化だ。人は新たなる可能性へと進化したのだ。彼等達は我々――人類の先を行く者――先進者(せんしんしゃ)なのだ。」

 こうして、能力者―――先進者達の存在が世界的に認められ、知られていく。


 これにより、世界の情勢は大きく変わることとなる。

 先進者の力を軍事利用できると考えた各国は率先して研究施設を建設し、先進者を集めて能力開発や強化に力を注ぐ。

 しかしそれは非人道的な実験ばかりで命の危険を感じた先進者達は自身の人権を主張し、各国と対立。暴動までに発展してしまう。

 この世界情勢を重く見た国際連合は先進者の人権保護と尊重を目的とした『世界先進者(せかいせんしんしゃ)条約(じょうやく)』を制定。

 同時に先進者の管理・育成と犯罪対策の為に新たな機関――国連(こくれん)先進者対策(せんしんしゃたいさく)機構(きこう)(united nations advanceder Countermeasure mechanism通称:UNACOM(ユナコム))設立された。

 これにより各国が秘密裏に行っていた研究施設は全て解体。

 UNACOM(ユナコム)管理の下、先進者育成学校や研究所等の新たな施設が世界各地に建設されていく。


 今現在、先進者の人口は世界人口の約4割だと言われている。

 彼等達の存在は人の生活が豊かにする礎となっている一方で新たな争いの火種ともなりゆる存在。

 そんな不安定な情勢の中、人々はごく平然を装い、暮らしているのであった。

 


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