ログと動画と時折涙
注意
本小説には、以下の要素が御座います。
・「何故そうなった!?」的急展開
・小説下手っぴ投稿者による圧倒的駄文
本小説は、“VOCALOMAKETS”様が販売する音声合成読み上げソフト“VOICEROID”の二次創作作品です。
又、若干のダーク/シリアス要素がある場合が御座います。
上記の注意事項を御確認の上、「OK!」と言う方のみこのままお進み下さい。
ガチャリ、真夜中の室内に戸の閉まる音が響く。
寝室の枕に置いてあるタブレット端末には、一時停止された動画。
“紲星あかり”。それが私の名前。
年齢不詳の動画投稿者で、無名だけど小説家で。
…まあそのような事はどうだって良い。
書き換えようとすればいくらでも書き換えられる情報だからだ。
私の“中”には、沢山の“書き換えられない情報”が入っている。
日本…いや、世界初のアンドロイドとして精を受けた瞬間のログ、システムの実行に必要な各種ファイル、そして…私がアンドロイドである事。
挙げればキリが無い。
その中でも記憶に新しい様で旧いようなログが一つだけある。
今日もそのログのパスワードを打ち込み、映像を閲覧する。
「お母さん、これはなんていうの?」
「んー?これはねー、“あい”って読むのよー」
「じゃあこれはー?」
「これはねー…ちょっと難しいかなー…?」
ほんの20秒程度の、短い映像ログ。
だが、気が付いた時、私は目から涙を流していた。
いくら力もうと、涙は止まらない。いっそ力を抜いてしまいたかったが、何故か力が抜けない。
顔面のモータの故障だろうか、そう思う余裕も無く、私は静かに泣き続けた。
泣き続ける私の心は、切なさと悔しさでいっぱいだった。
何れ程の時が経ったのだろうか、気が付けば時計の短い針は3と4の数字の間を指していた。
枕に置いてあるタブレット端末はとうにスリープ状態に入り、画面は点いていなかった。
私も、いづれは、このタブレット端末の画面の様に…あっさりと、消えてしまうのだろうか。
…もう、曖昧な記憶について考えるのは辞めにしよう。と、心の中で静かに思った。
…なんだか尿意を催してきた気がした。今日で何度目だろうか。
まぁ良いか。後で動画でも見よう、と一言呟き、私はトイレに籠った。