表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

STEP2. まずは1回目


 さて、いよいよ接種である。


 1回目を控えた前日は、いつも通りにのんびり過ごす。一応、体調も自分なりにチェック。

 リマインドのメールも届き、「予診票も記入しなきゃー」とゴロゴロしているダメ人間。


 夜になってやっと予診票を取り出すも、どう記入したら良いのか不明な欄がいくつかあり、穴あき状態で持っていくことにする。

 夜更かしはすまい、と思ったのに小説を読み始めてしまって就寝は深夜。だがしかし、睡眠時間だけは確保したので良しとする。うん。



 当日。

 昼食を済ませてコーヒーでひと休み。

 病院までは母親が送り迎えをしてくれることになっているので、出かける時間は相談済みである。


 愛猫にオヤツを差し上げてから、いざ病院へ!


 母親は車中で待機するとのことで、予約確認ハガキと予診票、お薬手帳などを持って受付へ。

 「ワクチン受付」の腕章をしている職員さんは、さすがに慣れた様子だった。予約日時が書かれたハガキを出せば、スムーズに案内される。

 看護師さんに予診票を提出し、空欄をチェックされる。ここでお薬手帳も提出。

 数分ほどで診察室に呼ばれて先生が予診票を見ながら問診。


「体調はどうですか?」

「あー、めまいと頭痛がしますがそれが通常の状態なんです……。持病があって」

「じゃあ特に悪い感じはしない?」

「はい」

「アレルギーは」

「あります」

「なにがダメ?」

「フルーツ全般と、野菜……トマトとかナスとか、あ、山芋……」

「うん、大丈夫かな。ちょっと待ってねー」


 先生、何やら一旦退場。

 その間に看護師さんが接種の準備を進めてくれる。


「アルコール消毒大丈夫ですかー?」

「ダメでーす」

「はーい」


 軽いノリでのやり取り中に、先生が戻ってくる。


「終わってから30分待って様子見てね」

「あ、はい」


 手には「〇〇時〇〇分まで待機」と書かれた紙があって、副反応及び今日のこれからの注意点などがプリントされた用紙と一緒に渡される。


「では、打ちまーす。ちょっとチクッとしますね」


 看護師さんの明るい声に痛みを覚悟するも、針が触ったかな? という感覚しかない。


「気分はどうですかー? 痺れとかないですかー?」

「(……!?)あ、大丈夫です」

「じゃあ薬液入れますねー」

「(混乱しつつも)はーい」

「はい、終わりでーす」


(はい? え、待って、ホントに刺した? びっくりするほど痛みがなかったんだけど大丈夫?)


 いつもの採血の痛みが来ると思っていたので、予想外の展開に戸惑う筆者。

 看護師さんに誘導されて待機場所となっている、待合室のソファに座る。そのままそこで、どんな症状が出る可能性があるかという詳しい説明を受けた。

 同じように待機している人が複数名。みんなスマホで暇つぶしをしている模様。


 10分経過。


(この調子なら何事もなく帰れそうかなー)


 浅はかにもそんなことを考えていた筆者だったが、それから事態は変わる。


 15分経過。


(……なんか、息苦しい? あ、ちょっと咳でるな。うーん、このくらいは許容範囲かなぁ?)


 20分経過。


(あー、頭痛い。ちょっとグラグラするかな。あー、指先の感覚おかしいな? うん、気持ち悪いな! やばいか? もしかしてヤバいのかな? あれ、これ看護師さん呼んでいいパターン?)


 と、ここでギブアップ。

 周りが平然としている中で申し訳なく思いつつも看護師さんに助けを求める筆者。

 すぐに出てくる血圧計とパルスオキシメーター。


「気持ち悪いですか? 他には?」

「酸素量は大丈夫ですね。少し横になりますか?」

「車椅子もってきますね」


 2人がかりで介抱されつつ、されるがままの筆者。

 車椅子に乗せられて、処置室へGO!


 簡易ベッドに横になり、タオルケットをかけられ、ナースコール用のボタンのようなものを持たされて、しばらく寝る。ぐう。

 寝かされる前に、クーポン券が送られてきた時の封筒などを渡しておいたので、予診の時の先生が様子を見に来てくれる。

 車椅子に乗せられた時は「血の気が引いた顔色」だったらしい。


「蕁麻疹も出てないし、アナフィラキシーではないから大丈夫。もしかして緊張してた? 終わった途端に緊張がゆるんで倒れる人もいるんだよー。もう少し休んでてね」


(緊張……してたかな? うーん、どうだろう)


 ぼんやり考えつつまずは一安心。

 あまりにも時間がかかりすぎると心配した母親が処置室まで迎えに来ていたのは申し訳なかった。

 1時間ほど寝かせてもらって、だいぶ良くなったのでお礼を言って帰路へ。この時既に、針を刺した場所に違和感発生。

 夕食の頃には違和感マシマシ。軽い筋肉痛くらい。

 鎮痛剤を飲むか迷うが、発熱もしていないことからそのまま就寝。


 夜中の2時に腕の痛みで目が覚める。


(いった! 痛い! うえぇ、局所的な筋肉痛! いや、これ筋肉痛の痛み!? こんな痛いことあった!?)


 痛みにより眠気が家出。そのまま朝を迎える羽目に。


「鎮痛剤のむ?」

「うーん、どうしよ。まだ熱はあんまり出てないしなぁ……」

「何度?」

「36.7度」

「微妙!」


 動かせないほど痛む腕で朝食を済ませて、自分の体調を改めてチェック。


(頭痛、めまい、吐き気。あと、ちょっと苦しいかな。倦怠感はないけど、腕が痛くて動かせない……)


 とにかく、ワクチンを打った左腕の上腕部がべらぼうに痛い。触ろうものなら激痛である。

 とりあえず昼まで様子を見て、鎮痛剤はそれからにしようとベッドに潜り込む筆者。

 そして迎えた昼食時。

 熱は37.4度。解熱鎮痛剤の服用ボーダーラインは37.5度。

 うん、飲もう。痛いし。

 そんな感じで鎮痛剤を投入。

 夕方に熱は下がったけれど痛みはあまり変わらないという事実に打ちのめされ、もはやこの日は何もできなかったことに後になって気付いた筆者である。ちーん。


 明けて翌日。接種3日目。

 左上腕部の痛みは、「普通の筋肉痛」くらいまで回復。吐き気もなくなっていた。


「そうだよ、筋肉痛ってこのくらいの痛みのことだよね!」


 なぜか清々しい気分になる筆者。

 熱もなく、前日とはかなりの差である。

 更に翌日(4日目)には痛みはほとんど消えていた。


 そして現在、接種から10日目を迎えるが、痛みはないものの、「触れると違和感」の状態がまだ続いている。


 はたして……これは……?


 個人差があるということだし、大丈夫だろう! と、もはや割り切るしかないだろう。そう、筆者は痛みにとても敏感なのだ。

 そうしているうちに、もう来週には2回目が迫っている。ひ、ひぇ……。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ