桜くんの下着の好みは、
-おばあちゃんにフラれてから一時間後の夕食にて-
「おばあちゃんの家ってかなりの豪邸だと思うんだけど、おばあちゃんってお金持ちなの?」
「まさか。
市場で少し果物を売って、年金を貰ってそれだけよ。
お金って、あったらあっただけいいように思うけれど、ありすぎても困るしね。」
スクープです。
年金がこの世界にもあることが判明しました。
-しばらくして-
異世界にきて初めての夜がたよ。
いろいろあったけど、楽しかったな。
なんか予想してた異世界転移物語の軌道からは外れてるし、女神様にも僕にメロメロな美少女にもまだ会ってないけど。
まあ、チート能力もらってもさ、
ドラゴンとか魔王とか普通に怖いからやだけどね。(笑)
あと、筋肉ムッキムキの子はタイプじゃないんだ。
神様、僕に素敵なプレゼントをありがとうございました。
かなり早めのセカンドライフですが、楽しみます。
(一人でいいから僕に惚れ込んだ女の子を登場させてください。
おっぱい、はおっきい方が好みです。)
みんな、おやすみね。
-日付が変わりまして-
「はな~、はなー、はな、はな。
はな!
ほら、起きなさいよ。早く早く。」
ものすごく眠いんだけど、今何時だろ。
時計は確かあそこらへんにあったよな。
05:34
ほらまだ全然じゃん。
「桜!すぐ終わっちゃうよ。あなたがここにきてからの初日の出なんだから。」
「初日の出なんて興味ないよ。俺眠!」
(今夢の中で、ツンデレ猫耳の美少女ちゃんといちゃいちゃしててさ、あとちょっとで純白の下着が....)
「あっ、」
ベッドから起き上がると、それはもう突然に、目の前に現れたんだ。
思わず感嘆の声を洩らしてしちゃったね。
なにしろ地球からみた日の出とは全く違ったんだよ。
まず、それは輝いていたの。
ものすごく。
太陽よりもうんと赤くて、「情熱の赤を象徴する」ってかんじ。
それが夜明けの鮮やかな澄んだ青い空と混ざってさ、
グラデーションになってるんだよ。
雲に光が反射しているのも合わさってとにかくすごいの!
さらにね、それが出てくる場所もすごかったの。
ちょうど部屋の窓から見ると、
噴水と並木道とそれとが一直線に並んでるんだよ。
もうこれ奇跡だよね?奇跡だよね?奇跡でしょ?奇跡だよ!
しかもさ、ビルみたいな障害物は何一つないんだ。
人工物なんて申し訳程度でさ。
神々しいっていうか恭しいっていうか、
こういう気持ちなんて言うのか分かんないや。
でも、太陽には神様がいるって信じて疑わなかった昔の人の気持ちが分かったよ。
異世界だしほんとにいてもおかしくないよね。
「おばあちゃん、神様っているの?」
「それはね、いつかわかるときがくるのよ。
だからあなたが思うように思いなさい。
実のところ何十年も生きているはずの私も、全く見当がついていないのよ。」
美紀子「いいねをくれなきゃ地の果てまで追い回してやる!」
(嘘です。でもほしいな)