↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/97

第81話 お疲れ様2

「ご主人さまー、お風呂の用意が出来ましたよー」


ザルクさん達も帰り、後は風呂に入って寝るだけだとリビングで休んでいるとスンスンがやってきた。

スンスンはいつ休憩しているのだろうと思うぐらい動き回っている気がする。用事がある時は常に近くにいるからついつい頼み事をしてしまうんだよね。俺の元で働くのは勿体ないぐらい優秀なメイドさんだと思うんだけど。


「ありがとう。それじゃ行って来るね」

「ええ」

「分かりました」

「……分かった」


一番風呂は家主である俺と既に決まっていた。ミーシアが着いて直ぐに入っていると思っていたら水を溜めた桶を使って体を拭いているだけだった。使用人は俺の後に入るのが決まりだそうだ。

余り長風呂は出できんな。最後の人はかなり遅くなってしまうからね。


「…………」


そしてタオルと着替えを持ったスンスンに案内されるように風呂場にやって来た。そこでスンスンからタオルを受け取り中に入る。


「…………」


俺の背後に人の気配がある。振り返えるとツバキとシオン、フィーネとスンスンがいた。

ツバキとシオン、フィーネまではずっと後ろを着いて来ていたから何となく分かるけど、スンスンまで入って来るのか……。


「私はお世話係ですー。温度の調整などが必要なのでー」


熱の魔石を使って温めているそうだけど熱い時は水を水瓶から足したり、ぬるい時は熱の魔石で調整したりする必要があるからお傍に控えますと。そのくらい自分でするから必要ないと言ったけど聞く耳を持ってくれない。


「私は護衛ですわ」


ツバキとシオンと一緒に入りたい願望は確かにあった。その為に広い浴槽があるこの屋敷にしたと言っても過言ではない。そもそも家を選ぶ基準が風呂が第一だったしね。

しかし、服越しに触れる事と直接触れる事に天地ほどの差があるように、服を着ている状態と生まれたままの姿にはメリリとアルテミリナ様ほどの差があるのだ。


断言しよう。ツバキ達と一緒に風呂に入ったら血風呂になると。一緒に入る事を想像しただけで顔に血が上り鼻の奥がツーンとしてくる。

胸を頭に置いても押し付けられてもそんなに気にならなかったのに何故……。これが噂に聞く邪神メリリの呪いか!? 


流石に一緒に風呂に入っている少年が鼻から血を流しながら見つめていたらヤバ過ぎだろ。そんな醜態を晒すぐらいなら血の涙を飲んで我慢するしかないだろう!!


「――ツバキは一緒に入らなくても屋敷の中なら侵入者にも直ぐに気付けるだろ?」

「私の気配察知をすり抜け主様を狙う強者がいる可能性がありますわ」


う、うーん。無いと言えるほどこの世界の知識があるわけじゃないけど、敷地の外にまで目が届くツバキを躱せる人物が存在するのか? そんな生物がいたらもう諦めるしかないんじゃないのか?


「わ、私は、旦那様の、御背中を、御流しします」


…………。うん、誰に言われたんだね? 両手で顔を覆うぐらいなら待ってていいのに。というか断るの辛いから普通に待っててくださいお願いします。


「……私はヤマヤマに背中を流させる?」


普通に聞くとご褒美だけどフィーネは使用人だからね? 是非流したいと思うけど悲惨な結果になりそうだ。流石に君らに引かれた眼差しを向けられると立ち直れなくなるからね?


「…………。うん? スンスン、その服はなに?」

湯着ゆぎですよー? ……着ては駄目ですかー?」


俺が一人悶々としつつも涙を飲んでいるといつの間にかスンスンがメイド服を脱いでいて、浴衣の様な白い服を着ていた。お風呂でお世話をする使用人が着る濡れても大丈夫な仕事着みたいだ。…………。そして良く見るとツバキの手に似たような服が抱えられていた。


「こんな事もあろうかと昼間の衣服店で買っておきましたの。それとも主様は着ない方がお好きですか?」


着ない方が好きです。だけど着て欲しいです……。

――でもスンスンは子供体形だからそこまで気にならないけど、ツバキ達はそれを着ても包み隠せないエロスがあるよ? 特にツバキは零れそうだよ?


「……ヤマヤマ、着替えてる間見てるつもり?」

「っごめん。つい珍しくて」

「主様が見たいのでしたら構いませんわよ?」

「お、お姉さま!?」


ツバキ達に背中を見せて目を瞑っているけど普通に服を脱いでいる音と気配が漂っている。つい湯着の存在を知って拒否しなかったけどこれでも十分にヤバくないか? 

…………。鼻血って血圧が上がって鼻の粘膜が破れて出てくるんだよね? ならチビチビポーション飲んでいたら大丈夫かな?


「ご主人さまー、御着替え手伝いますよー」

「――へ? いや、大丈夫!? 一人で着替えれるよ!」


後ろを向いたまま着替えずにいたらスンスンが手伝いに来たようだ。流石に一人で脱げるから。…………。あれ? 俺の湯着は?


「これは使用人用ですー。ご主人さまはお気になさらず脱いで頂いて構いませんよー?」


いやいや俺が気にしますから! ……は? もしかして主人にお見苦しいものをお見せしない為の服ですとか言うつもり? 主人は堂々と裸で風呂に入って侍女は湯着を着ると? 

…………。無理無理、ダメ絶対!? そんな羞恥プレイ望んでいないヨ!? 男女比一対四で男だけ裸とか望んでいないヨ!? それならむしろ皆脱いでよ!? ポーション瓶咥えたまま風呂に入るからさ!


「旦那様、こちらを」

「…………ありがとう」


湯着を着た色っぽいシオンがタオルをくれた。うん、まぁ男だしこれ一枚でフルプレートを着たぐらいの安心感が得られるだろう。…………。君らは先にお風呂行きなさいよ。なんで俺の着替えを皆で見てるの? 誰得なのコレ!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。