49話 お出かけの予定
「……はあ、シャイニーナはお前のこと気にしているように思うけどな。早く何とか言わないと横から取られるぞ」
「そんなことわかってるよ。そんなこと、分かってる……」
次第に彼の声が小さくなっていきます。
「そんなことわかってるよ、僕だってさ……」
「ニーナ」
ゼクウェントがシャイニーナに声をかけました。
きょとんとした顔で彼女が振り向きます。
「どうしたんですか?ぜくえんとさま」
「あのね、今度一緒にお出かけしにいかない?向こうの森のほう」
にっこりと笑いながら彼は提案しました。
「いきます!たのしそう!」
嬉しそうに顔を輝かせながらニーナは返します。
「たのしみにしてますね!」
ゼクウェントは悩んでいました。
彼女に思いを伝えるべきか。
ニーナはまだ子供です。
でも。
やはり好きなものは好きです。
ずっと彼女だけが好き。
シャイニーナを連れだす予定を立てた理由は彼女に思いを伝えるため。
きらきらと光る指輪を眺めながらゼクウェントは言いました。
「はあ、今度の外出でちゃんと言えたらいいんだけどな……」
シャイニーナの指の細さに合わせて作られた小さな小さな指輪。
ほんの少しでも力をかけたら壊れていしまいそうなぐらい繊細。
彼女が付けたらどんなに似合うだろう。
想像しながら彼はまたため息をつきました。