3話 変わり壊れた心
「いや!おとーさま、たすけて!たすけ…」
フッ
「行った、か。」
ガチャッ
「お父様、シャイニーナは?」
「ベルリーナ…シャイニーナはね、お前の代わりに、生贄になったんだ…お前は、そのおかげでたすかった…」
「え…じゃあ、本当なの?シャイニーナが魔王の生贄になるって…」
ベルリーナは知っていました。
シャイニーナがなんのために連れてこられたか。
使用人の話を耳にして。
その言葉は、10歳の時のベルリーナの心を壊していました。
でも、大きくなるにつれ、理解しました。
自分のためにやってくれているのね、と。
私は、助かって幸せな人生を送れるのね!と。
「ありがとう、お父様。よく考えたら、せっかくの人生だもの。王族が生贄なんて、勿体ないわよね!」
もう、ベルリーナに子供の頃のような感情はありませんでした。
ベルリーナは、4年間で変わり果ててしまったのでした。
◇◇◇
「うーん、ここわ…はどこ?」
王は最後にシャイニーナのに薄い麻でできた粗末なワンピースを着せました。
村の人が着ているような格好です。
ひどく、凍えます。
コンコン
ガチャッ
「ようこそ魔界へ。シャイニーナ姫。…って、え?シャイニーナ姫?どうしたんですか?そんな格好で!」
今回の登場人物
·シャイニーナ
·ベルリーナ
·国王
·シャイニーナに声をかけた女の人