35話 魔族の国
「えっとね、別にその服でもいいんだけど目立つからな……どうしよう……」
確かに、二人が来ている服は一目で王族だとまるわかりです。
「ベルリーナ様の服は私が貸しますね。アルフレッド様の服はソルが貸してあげて?」
やっぱりヒヨは優しいです。
「わー、なんだか町娘になった気分ね。」
「僕もだな~」
ヒヨとソルの服を貸してもらったベルリーナとアルフレッド。
意外によく似合っています。
「よし、じゃあいこっか。」
お屋敷から出た4人は、町へと歩いていきました。
「わあ~、色んな種族の人がたくさん!」
町にはたくさんの種族の人々が住んでいます。
エルフ、獣人、妖精。
魔族以外にもこんなに。
それが二人には珍しかったようです。
「とりあえず青果店に行こうか。」
今日は果物系を買いに来たのでまずは青果店。
「ぜくえんとさま、にーないちごたべたーい!」
「いいよ~、美味しいもんね。」
そんな二人を見て、ベルリーナとアルフレッドがこそこそ話し出します。
「アルフレッド様、あの二人自然とイチャイチャしてることに気づいてないのかしら?」
「あれでなんにもないなんてにわかに信じがたいよね……」
早くくっつけばいいのに。
二人はそっとつぶやきました。